江戸時代から昭和20年代ごろまで、瀬戸内海周辺では「入浜式塩田」による塩づくりが盛んで、江戸時代には日本の生産量の8割以上をつくっていたといわれています。
日本人は1日約10gの塩分を摂っていますが、内訳をみると、一番多いのはしょうゆに含まれる塩分です。そのほかにも、みそなどの調味料に含まれる塩分も多く摂っており、家庭の料理や食卓で使う塩は全体の10%くらいにしかなりません。また、つけものなどの野菜類や、塩さけなどの魚介類からも塩分をとっています。塩をとる量を考えるときには、料理や食卓で使う塩だけでなく、調味料や加工食品に含まれる塩分のことも考えなくてはいけません。
1リットルの水には、塩は約300g溶けます。一方、海水には、塩は約30gしかとけていません。このため、海水をそのまま煮つめて塩をつくるのは大変なので、日本では昔から、海水からまず濃い塩水をつくり、これを煮つめるという二段階の方法で塩をつくってきました。
日本で1年間に使われる塩のうち7~8割は、塩を原材料に各種の化学製品をつくる「ソーダ工業」で使われています。
日本は、メキシコから最も多くの塩を輸入しています。主に「ソーダ工業」の原材料として、年間数百万トンの塩を輸入しています。ただし、私たちが食べる量くらいの塩は、日本でつくっています。