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塩風土記

日本全国の塩にまつわる歴史・民俗的な話題をご紹介。

東京都内の塩地蔵尊

浅草寺 塩なめ地蔵(銭塚地蔵:台東区)

昭和39年に再建されたこのお堂には、石造の「六地蔵尊」が安置されており、その下に「寛永通宝」が埋められているといわれることから、「銭塚」の名がある。
江戸時代、摂州有馬郡に山口なる者がおり、その妻がある日、庭先で寛永通宝がたくさん入った壷を掘り当てた。だがこれに頼って働かずにいては、家は滅び去ってしまうと考え、誰にも言わず、再び土中に埋め戻した。この心がけによって一家は繁栄したので、その壷の上に地蔵尊を祀ったという。
お堂のご本尊は、そのご分身を勧請したもので、商売繁盛のご利益があるといわれる。特に塩をお供えすることから「塩なめ地蔵」の名もある。
(浅草寺HP 諸堂案内より)

回向院 塩地蔵(えこういん:墨田区)

回向院にある塩地蔵は、宝暦7年(1751年)に建立され、右手に錫杖、左手に宝珠を持っており、参詣者は願い事が成就すると塩を供えたことから、「塩地蔵」と呼ばれ親しまれてきた。境内には義賊として活躍したといわれている「鼠小僧次郎吉」の墓がある。

宝塔寺 塩なめ地蔵(江東区)

江戸時代に、小名木川や行徳道を通る商人たちが、この地蔵の前で休憩し、商売繁昌、航海安全を願って塩を供えたのが由来と伝えられている。また、仏前の供えられた塩をもらって疣に塗ると治るともいわれ、別名「いぼ取り地蔵」とも呼ばれていた。

安楽寺 塩地蔵尊(品川区)

安楽寺にある塩地蔵は、足元に塩を供えて願をかける風習がある。造立年代は不明である。下半身だけが不自然に細くなっており、長年供えられた塩の影響ではないかともいわれている。

徳蔵寺 塩地蔵(品川区)

貞享四年(1687年)に造立された塩地蔵は、これに供えられた塩を少量持ち帰り、風呂に入れて入ると諸病に効験があると伝えられていた。特に眼病に御利益があるといわれ、眼を患った人が願をかけ、治るとお礼に塩を献じる風習があった。 また、塩地蔵は「北向き地蔵」ともよばれており、この地蔵も、貞享四年の頃は北向きに安置されていたものと推測される。

大宗寺 塩かけ地蔵(新宿)

大宗寺の塩地蔵は、願掛けの返礼に塩をかける風習のある地蔵尊である。造立年代や由来についてははっきりしない。

源覺寺 塩地蔵尊(文京区)

源覺寺の塩地蔵尊は、寛永元年(1624年)以前よりこの地にあり、人々の信仰を集めたといわれる。地蔵尊のご身体に塩を盛ってお参りすることから塩地蔵と称し、その由来には、古来より塩は清めとして用いられることにより、参詣者の身体健康を祈願するものと言われている。

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