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塩風土記

日本全国の塩にまつわる歴史・民俗的な話題をご紹介。

塩竈清祭(しおがまきよめさい) 十輪寺

京都の南西にある小塩山にひっそりと佇む十輪寺は、平安時代の歌人在原業平ゆかりの寺である。裏手の山にはその昔、在原業平が遠く難波(大阪)の海から海水を運ばせ、山中で塩を焼いて立ち上る煙の風情を楽しんだという塩竈の跡が残されており、毎年11月23日には塩竈跡を清める塩竈清祭が行なわれている。


新しい注連縄が張られ、竈の中には炊きつけの落ち葉が準備されている。

塩竈清祭では、塩竈のお清め、火入れ、三味線によく似た三弦という楽器をつかった三弦法曲声明などが営まれる。
窪地に位置する塩竈跡には、新しく注連縄が張られ、正面には祭壇が設けられている。窪地を囲むように参列者たちが集う中、午後一時に法要が始まり、住職を初めとした数人の僧侶たちが現われる。祭壇の前で勤行を行い、その後、塩竈に火が入れられる。もうもうと立ち上る煙の中、お清めの塩撒きが行われる。


塩竈に火が入れられる。

もくもくと煙が立つ中、清めの儀式が続く。

塩竈のお清めは事前に参列者からも参加を募るので、希望すれば体験することも可能だ。塩竈のお清めが終わった後、三弦法曲声明があり、塩竈の火が消され、塩竈のお清めに参加した参列者たちには塩竈の上に供えられていた菓子が配られ法要は終わる。
遠い昔、恋人を思って塩を焼く煙を漂わせたという在原業平と当時の風情が偲ばれる優雅な法要である。


塩竈のお清め。参列者も参加できる。祈念しながら塩を撒いていく。

三弦法曲声明と塩竈の火消し。

境内の「なりひらもみじ」後ろには樹齢800年の大楠が見える。
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