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塩風土記

日本全国の塩にまつわる歴史・民俗的な話題をご紹介。

塩の道 千国街道(長野県)

日本海側の新潟県糸魚川市から太平洋側の長野県松本市までを結ぶ約120kmの道で、最も長い塩の道とも言われている。牛馬と歩荷(ボッカ)たちによって、海産物等の物資が運ばれた人々の生活を支える道であり、庶民とともに生きた経済道路であった。
歴史上名高い「敵に塩を送る」の故事の由来とされる「上杉の義塩」もこの道を通ったといわれているが、流通の発達した現代ではかつてのような頻繁な往来はなく、一部の旧街道が整備、保存され観光地となっている。

小谷村(おたりむら)近辺の塩の道


角間池道しるべ

「右 松本街道、左 中谷道 横川」と記されている。


大網峠

かつては歩荷(ボッカ)宿・茶屋が4軒あり、歩荷や牛馬の休憩場所であった。


百体観音

西国、秩父、坂東の百番霊場に合わせた観音像が白馬三山を望んで立ち並ぶ。


街道より北アルプスを望む

牛つなぎ岩

巨石に牛の手綱を結ぶための穴が開けられている。


親坂石仏群

坂道で難所であったところ。重荷を背負った牛が歩きやすいようにと敷かれた石が今も残っている。


千国番所

松本藩の口留め場所として、運上塩(通行税)の徴収、塩などの荷物や人改めを行っていた。現在は資料館となっている。


牛方宿

塩蔵(下)

千国街道に現存する唯一の牛方宿。村の有形文化財にも指定されている。現在は資料館として利用されている。
隣接する塩蔵は、塩の影響を受けないように、釘を一本も使わずに建てられている。

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