体内の塩

人は「塩」がないと、生きていけない?

塩は体内で塩化物イオンとナトリウムイオンの状態で存在し、人間の体に大切な働きをしています。

消化と吸収を助ける
体の中にある塩化物イオンは胃酸のもとになって、胃で食べ物を消化したり殺菌したりしています。ナトリウムイオンは、小腸で、食べ物から得た栄養を吸収するのに必要です。
細胞を保つ
人の体はとてもたくさんの細胞からできています。その細胞は細胞外液という液に囲まれています。ナトリウムイオンは細胞外液に多く含まれていて、細胞がちゃんと働けるように、細胞の中と外の濃さのバランスを一定に保っています。
刺激の伝達
温かいものや冷たいものを触ったときなど、その刺激を脳に伝えたり、脳から手や足を動かすように筋肉に命令を伝えたりするのが神経細胞。ナトリウムイオンは、神経細胞が刺激や命令を伝えるときに必要です。

体にはどれくらい塩があるの?

体内の塩分量は大人と子供で異なり、大人で体重の0.3~0.4%、子供では約0.2%といわれています。例えば、体重60kgの成人の場合は、体内の塩分量は約200g程度ということになりますね。

1リットルの血液中には約9gの塩がとけていて、輸血をする血液が不足している時に生理食塩水(リンゲル液)が代用できるのもこのためです。また、塩分は骨にも含まれており、血液中の塩分がなくなると溶け出して塩分を補ったりする働きも。

汗との関係

人間は汗をかくことで、体内の老廃物を早く外に出したり、体温を調節したりしています。汗は「しょっぱい」と感じられますが、これは汗の中に塩分が含まれているためです。