塩風土記

塩風土記

■埼玉県と塩■

内陸部である埼玉県では、製塩の記録はほとんどない。近世には、十州塩(瀬戸内海沿岸)および行徳塩(千葉県)が、江戸川を利用して内陸部へと移入されていた。


【名所・史跡】

塩地蔵 (さいたま市)
その昔、大宮宿で娘を連れた旅の途中で病に倒れた浪人がいた。医者の手当ても薬も利かず、寝込んでしまった父親の看病を続ける娘の夢枕に、ある日地蔵様が現れ、塩断ちをするように告げたという。娘が塩断ちをして地蔵堂に祈ったところ、父親の病は全快した。喜んだ親子はお礼にたくさんの塩を奉納し、その後、人々も塩を供えるようになったという。
(佐藤利夫『大宮の郷土史』)

大滝温泉(おおたきおんせん:秩父市)
ナトリウム・塩化物泉。神経痛・創傷・皮膚病などに効能があるといわれている。


【名産品】

しゃくし菜漬
標高が高い秩父地方で、古くから白菜のかわりに栽培されてきたしゃくし菜を、10月末から11月のはじめ、霜の降る頃に収穫し塩で漬け込むもの。しっかりとした歯ごたえが特徴。


【地名】

塩(しお:熊谷市)
地形が由来となった地名。谷口などのような、シボり込んだような地形、シワんだ地形を示す言葉を「シワ」「シオ」といい、それに漢字の「塩」が当てられたと考えられている。4世紀頃の古墳群が見つかっており、県指定史跡として塩古墳群と呼ばれている。
(竹内理三他編『角川日本地名大辞典』)