塩風土記
塩風土記
■栃木県と塩■
内陸部に位置する栃木県だが北部には塩の付く地名とともに塩泉が点在し、塩泉製塩が行われていた記録がある。塩泉製塩からの生産量は地元の需要を満たすには十分ではなく、沿岸地方より塩や海産物を移入し、農作物と交換する交易が盛んであった。
近世においては、栃木と江戸方面をむすぶ交通路として川を利用した舟運が発展したため、巴波川を通って江戸から行徳塩(千葉県)等が移入され、遡航(そこう)終点があった栃木の河岸で馬荷となりさらに内陸部へと運ばれていった。栃木河岸には塩問屋が11軒もあったという。18世紀半ばからは行徳塩に替わり安価な十州塩(瀬戸内海沿岸)が主流となっていった。
【名産品】
干し納豆
納豆に塩を混ぜ1週間~10日位硬くならない程度に干したもの。長期保存が可能。
鮎のくされずし
背開きにして数ヶ月塩漬けにした鮎を水洗いし、飯と千切りの大根を混ぜたものと交互に桶に漬け込み、さらに数日発酵させるナレズシの一種。関西のナレズシが利根川・鬼怒川を経て伝わったものといわれている。
【地名】
那須塩原
塩原温泉郷には、塩釜温泉、塩の湯温泉といった塩化物泉がある。
塩谷郡(しおやぐん)
塩泉があり、『甲子夜話』『諸国里人談』などに、水をそのまま調理につかっても普通の塩と変わらないほどだ、といった記述がある。
