塩風土記
愛媛県 日本・フランス交流美術展「Le sel・塩」
「Le・sel・塩」は、日本・フランス交流美術展上島町実行委員の主催の元、2010年(平成22年)7月18日から31日にかけて上島町の弓削島で開催された塩をテーマにした美術展である。
2年前に奄美大島で第一回目の「日本・フランス交流美術展」が行われた際、次回の開催地として、アートを通じて島おこし活動を目指している弓削島が名乗りを上げたという。前回の美術展では特にテーマは設けられていなかったが、弓削島は中世から塩の荘園として知られており、6世紀ごろの製塩土器や遺跡等が発掘される等、今も塩とはなじみが深い。そういった古くからの塩の文化を踏まえ、今回のテーマは「塩」に決定された。
日本、フランスのアーティストたち総勢39名がそれぞれ「塩」をテーマとして作成した絵画やオブジェ等の現代アートが出展され、期間中は他にも製塩土器づくりや藻塩づくり体験、また島内一周観光や、島でジャズといった弓削島と塩に関するさまざまなイベントが行われた。
メイン会場となる「せとうち交流館」
日本の参加者中村シキカツ氏の作品。升と塩を使った木琴「グリオ(griot)」。升には、鎌倉時代の弓削の年貢に関する文章が焼き付けられている。
フランスの参加者ジャンフランソワ・デュミュール氏作品。タイトルは「弓削」。
弓削島の土と塩とを使い、上空から見た弓削島を表している。
開催初日である18日には、オープニングセレモニーとして、今美術展の実行委員でもある愛媛大学村上恭通教授による「弓削と塩」をテーマにした講演が行われた。その後、アーティスト自身による作品についてのトークショーや、夜にはウェルカムパーティ等が行われ、翌19日にはシンポジウム「塩の道 弓削から京都そしてパリへ」が開催された。シンポジウムの基調講演は京都の東寺長者である砂原氏による「弓削と東寺」、また俳優であり考古学研究者でもある苅谷氏による「古代瀬戸内文化圏と塩」。その後のパネルディスカッションでは、第一部のテーマを塩と美術についてとし、フランス側の出席者から、「塩はフランスでは魂のシンボル」と言われている、といった話題が語られ、第二部では塩と町づくりをテーマとし、今後の情報発信、瀬戸内の塩の起源等についてのディスカッションが行われた。
オープニングセレモニーの様子。