研究所報告

研究所報告


年度 題目 研究者 発表先

平成19年度

1

微結晶の付着現象による結晶成長速度向上の検討

正岡 功士、
長谷川 正巳

海水総合研究所研究報告第9号p1 (2007)

平成19年度

2

製塩環境中のステンレス鋼の孔食電位に対する塩化物イオン濃度ならびにpH,液温の影響

中村 彰夫、
井上 博之*
*大阪府立大

海水総合研究所研究報告第9号p6 (2007)

平成19年度

3

塩化ナトリウム結晶に付着した微量苦汁成分の固結現象への影響

鴨志田 智之

海水総合研究所研究報告第9号p12 (2006)

平成19年度

4

煮豆における塩類の影響

眞壁 優美

海水総合研究所研究報告第9号p15 (2007)

平成19年度

5

ウメ漬けにおける塩種の違いが脱水、浸透作用に及ぼす影響

中山  由佳、
党 弘之(研究調査部)、
眞壁 優美

海水総合研究所研究報告第9号p21 (2007)

平成19年度

6

食品に残留する農薬等のポジティブリスト制度について

野田 寧

海水総合研究所研究報告第9号p25 (2007)

平成19年度

7

ジルコニウム担持陽イオン交換樹脂濃縮/イオンクロマトグラフ法による塩化ナトリウム試薬中の硫酸イオンの分析

新野 靖

海水総合研究所研究報告第9号p32 (2007)

平成19年度

8

韓国における市販塩の品質調査

澤田 麻衣子、
谷井 潤郎

海水総合研究所研究報告第9号p36 (2007)

平成19年度

9

食品中に残留する農薬等の基準に係るポジティブリスト制度への対応 ―分析法の開発状況とセンター販売商品における農薬等の検査結果(No.2-1、No.2-2)―

野田 寧

海水総合研究所研究報告第9号p41 (2007)

平成19年度

10

塩製造技術高度化研究開発事業2006年度報告

吉川 直人

海水総合研究所研究報告第9号p48 (2007)

平成18年度

1

現行砂ろ過器の複層化による改善効果について

麻田 拓矢、
渕脇 哲司、
吉川 直人

海水総合研究所研究報告第8号p1 (2006)

平成18年度

2

Permeability of Zinc Ions across Ion-Exchange Membrane of Ion-Exchange Electrodialyzer

永谷 剛、
吉川 直人

海水総合研究所研究報告第8号p6 (2006)

平成18年度

3

電気透析槽に用いられるイオン交換スペーサーの合成法

永谷 剛、
吉川 直人

海水総合研究所研究報告第8号p15 (2006)

平成18年度

4

撹拌槽型連続晶析装置を用いた塩化ナトリウムの結晶成長現象と結晶品質の関係

正岡 功士、
長谷川 正巳、
篠原 富男

海水総合研究所研究報告第8号p19 (2006)

平成18年度

5

製塩装置防食への外部電源法適用時における発生塩素挙動の検討

加留部 智彦、
吉川 直人、
中村 彰夫

海水総合研究所研究報告第8号p25 (2006)

平成18年度

6

豆腐のゲル強度に及ぼす塩類の影響

眞壁 優美

海水総合研究所研究報告第8号p31 (2006)

平成18年度

7

食品中の残留農薬等に関するポジティブリスト制度とセンターの対応

野田 寧

海水総合研究所研究報告第8号p35 (2006)

平成18年度

8

韓国塩事情調査

谷井 潤郎、
芳賀 麻衣子、
神取たか子(研究調査部)、
丸山 高志(企画部)

海水総合研究所研究報告第8号p38 (2006)

平成17年度

1

製塩工程の自動化技術(第5報)
沈降式インライン粒径分布測定装置の開発

長谷川 正巳、
正岡 功士、
加留部 智彦

海水総合研究所研究報告第7号p1 (2005)

平成17年度

2

市販にがりの品質調査

芳賀 麻衣子、
新野 靖、
西村 ひとみ、
関 洋子

海水総合研究所研究報告第7号p8 (2005)

平成17年度

3

イオン交換膜の高性能化による製塩コスト低減効果に関するシミュレーション

吉川 直人

海水総合研究所研究報告第7号p13(2005)

平成17年度

4

各種製塩プロセスの製塩コスト比較に関するシミュレーション

吉川 直人、
奥山 邦人*
*:横浜国立大

海水総合研究所研究報告第7号p22 (2005)

平成17年度

5

高速ろ過装置設計諸元の基礎的な検討

渕脇 哲司、
麻田 拓矢

海水総合研究所研究報告第7号p32 (2005)

平成17年度

6

せんごう塩の流動性評価に関する検討
−流動性評価におけるモデルの適用−

鴨志田 智之、
篠原 富男

海水総合研究所研究報告第7号p37 (2005)

平成17年度

7

塩の結晶形状変化

鍵和田 賢一

海水総合研究所研究報告第7号p41 (2005)

平成17年度

8

ヨーロッパの製塩工場、製塩プラント調査

加留部 智彦、
長谷川 正巳

海水総合研究所研究報告第7号p44 (2005)

平成17年度

9

オーストラリア塩田の概況

野田 寧

海水総合研究所研究報告第7号p51 (2005)

平成16年度

1

市販食塩の品質(U) 

新野 靖、
西村 ひとみ、
古賀 明洋、
中山 由佳、
芳賀 麻衣子

海水総合研究所研究報告第6号p1 (2004)

平成16年度

2

蛍光X線分析装置を用いる塩製品中の微量元素の簡易分析の可能性

眞壁 優美、
吉川 直人

海水総合研究所研究報告第6号p15 (2004)

平成16年度

3

イミノ二酢酸キレートディスク予備濃縮/プラズマ発光分光分析法による塩中の微量金属の定量

新野 靖、
古賀 明洋

海水総合研究所研究報告第6号p20 (2004)

平成16年度

4

製塩における晶析技術の研究と開発動向

長谷川 正巳

海水総合研究所研究報告第6号p28 (2004)

平成16年度

5

赤外線吸収スペクトル解析による塩の水分、平均粒径およびマグネシウムイオン濃度の同時測定法の検討

正岡 功士、
長谷川 正巳

海水総合研究所研究報告第6号p32 (2004)

平成16年度

6

イオン交換膜法かん水の濃縮特性

正岡 功士、
加留部 智彦、
中村 彰夫、
篠原 富男

海水総合研究所研究報告第6号p37 (2004)

平成16年度

7

食塩の吸湿固結防止法の検討

党 弘之、
鴨志田 智之、
篠原 富男

海水総合研究所研究報告第6号p45 (2004)

平成16年度

8

中国井鉱塩工業に関する調査報告

長谷川 正巳

海水総合研究所研究報告第6号p51 (2004)

平成16年度

9

平成15年度海外研修報告
−アメリカ及びメキシコ視察に参加して−

野田 寧

海水総合研究所研究報告第6号p55 (2004)

平成15年度

1

広範囲の粒径に適用可能な溶解速度表示方法

党 弘之、
鴨志田 智之、
篠原 富男、
谷井 潤郎

海水総合研究所研究報告第5号p1(2003)

平成15年度

2

製塩工程管理のための自動、簡易測定システムの開発

吉川 直人、
眞壁 優美

海水総合研究所研究報告第5号p5(2003)

平成15年度

3

イオン交換膜電気透析槽における銅(II)イオンの溶存種ごとの陽イオン交換膜透過挙動

永谷 剛、
吉川 直人

海水総合研究所研究報告第5号p22(2003)

平成15年度

4

塩化ナトリウム結晶成長における不純物の影響

長谷川 正巳、
正岡 功士

海水総合研究所研究報告第5号p30(2003)

平成15年度

5

市販食用塩中のヨウ素量

新野 靖、
西村 ひとみ、
古賀 明洋

海水総合研究所研究報告第5号p34(2003)

平成15年度

6

数値計算によるイオンかん水濃縮特性値の算出

長谷川 正巳

海水総合研究所研究報告第5号p38(2003)

平成15年度

7

第5回海外研修報告
−ズートザルツ社バートライヘンハル工場(ドイツ)・ザリーネン社エベンゼー工場(オーストリア)

正岡 功士

海水総合研究所研究報告第5号p41(2003)

平成14年度

8

塩の固結と包装 

益子 公男

海水総合研究所研究報告第5号p47(2003)

平成14年度

1

塩中のヘキサシアノ鉄(U)酸塩の分析

古賀 明洋、
新野 靖

海水総合研究所研究報告第4号p2(2002)

平成14年度

2

全反射赤外射減衰法による自動測定システムを用いる製塩工程試験

眞壁 優美、
吉川 直人

海水総合研究所研究報告第4号p8(2002)

平成14年度

3

全反射赤外減衰法による高濃度塩類混合溶液組成測定のための検量行列簡易補正法

眞壁 優美、
吉川 直人、
永谷 剛、
久田 知之*、
石橋 照也*
*:赤穂海水(株)

海水総合研究所研究報告第4号p12(2002)

平成14年度

4

光学式変位計と赤外線水分計を用いる粉粒体粒径および水分インライン測定法

吉川 直人、
眞壁 優美、
山田 文彦*1、
小川 襲*2
松本 幹治*2
*1:ダイヤソルト(株)、
*2:横浜国立大学

海水総合研究所研究報告第4号p18(2002)

平成14年度

5

NaCl流動層型晶析装置の溢流溶液中に懸濁した微結晶の部分溶解操作による粒径制御

長谷川 正巳、
豊倉 賢*
*:早稲田大学

海水総合研究所研究報告第4号p22(2002)

平成14年度

6

放射線グラフト重合法によるイオン交換膜の合成

益子 公男、
大久保 和也、
大高 尚

海水総合研究所研究報告第4号p27(2002)

平成14年度

7

粒径分布解析法の検討

鴨志田 智之、
長谷川 正巳

海水総合研究所研究報告第4号p41(2002)

平成13年度

1

製塩工程における高濃度電解質水溶液の溶存酸素測定

大久保 和也*
*:現在、日本たばこ産業(株)

海水総合研究所研究報告第3号p2(2001)

平成13年度

2

高純度塩の固結防止機構(第1報)-包装袋の低水分化及び防湿包装による固結防止-

篠原 富男、
鍵和田 賢一、
党 弘之、
益子 公男

海水総合研究所研究報告第3号p8(2001)

平成13年度

3

フェロシアン塩添加による道路用塩の固結防止

小橋 憲輔、
党 弘之、
新野 靖、
雅楽川 伸*、
鍵和田 賢一、
篠原 富男、
益子 公男
*:現在、日本たばこ産業(株)

海水総合研究所研究報告第3号p18(2001)

平成13年度

4

光学式変位計を用いる塩製品粒径インライン測定の可能性について

吉川 直人、
眞壁 優美

海水総合研究所研究報告第3号p23(2001)

平成13年度

5

製塩環境への電気防食システム適用可能性の検討

雅楽川 伸*、
大久保和也*
*:現在、日本たばこ産業(株)

海水総合研究所研究報告第3号p28(2001)

平成12年度

1

塩化ナトリウム過飽和溶液中の仮想核の成長速度への影響

長谷川 正巳、
豊倉 賢*
*:早稲田大学

海水総合研究所報告第2号、p2(2000)

平成12年度

2

製塩工程の自動化技術(第3報)ニューラルネットワークによる粒径制御技術の検討

長谷川 正巳、
伊藤 浩士、
二宮 直義、
新藤 敏晴*、石丸 直之*
*:日本たばこ産業

海水総合研究所報告第2号、p7(2000)

平成12年度

3

製塩工程の自動化技術(第4報)ニューラルネットワークを用いた工業晶析装置における粒径制御

長谷川 正巳、
伊藤 浩士、
大久保 和也、二宮 直義

海水総合研究所報告第2号、p13(2000)

平成12年度

4

赤外全反射減衰法による製塩工程溶液硫酸イオン濃度の測定方法

吉川 直人、
佐藤 寿邦*、
大矢 晴彦*
*:横浜国立大学

海水総合研究所報告第2号、p18(2000)

平成12年度

5

赤外全反射減衰法による高濃度塩類混合水溶液の組成測定方法

吉川 直人、
佐藤 寿邦*、大矢 晴彦*
*:横浜国立大学

海水総合研究所報告第2号、p22(2000)

平成12年度

6

市販塩の品質

新野 靖、
西村 ひとみ、
古賀 明洋、
篠原 富男、
伊藤 浩士

海水総合研究所報告第2号、p27(2000)

平成12年度

7

せんごう塩の粒径、水分と粉粒体諸特性の検討

篠原 富男

海水総合研究所報告第2号、p38(2000)

平成12年度

8

塩の分析における不確かさの推定

新野 靖

海水総合研究所報告第2号、p46(2000)

平成12年度

9

逆浸透法による海水濃縮シミュレーション(第1報)一段逆浸透法による海水濃縮シミュレーション

吉川 直人

海水総合研究所報告第2号、p55(2000)

平成11年度

1

製塩工程の自動化技術(第1報)差圧法による結晶懸濁密度の検出

長谷川 正巳、
伊藤 浩士、
大久保 和也、
二宮 直義

海水総合研究所研究報告第1号、p2(1999)

平成11年度

2

製塩工程の自動化技術(第2報)差圧法による缶内液組成管理方法の検討

長谷川 正巳、伊藤 浩士

海水総合研究所研究報告第1号、p8(1999)

平成11年度

3

製塩工場の海水濃縮工程における溶液組成測定システムの開発(第1報)測定システムの基礎的検討

吉川 直人

海水総合研究所研究報告第1号、p13(1999)

平成11年度

4

製塩工場の海水濃縮工程における溶液組成測定システムの開発(第2報)測定システムの工程への導入

吉川 直人、
二宮 直義、
山田 文彦*1、
太田 保*1、
中本 哲夫*1、
塚本 孝臣*1
*:ダイヤソルト(株)

海水総合研究所研究報告第1号、p21(1999)

平成11年度

5

赤外拡散反射法による塩製品の硫酸イオン含有量の簡易測定法

吉川 直人、
佐藤 寿邦*、
大矢 晴彦*
*:横浜国立大学

海水総合研究所研究報告第1号、p28(1999)

平成11年度

6

塩化ナトリウムの固結機構の解明(第1報)環境条件と高純度塩の結晶表面変化の関係

党 弘之、
鍵和田 賢一

海水総合研究所研究報告第1号、p34(1999)

平成11年度

7

有機酸存在下におけるフェナントロリン吸光光度法による食塩中の鉄の定量

古賀 明洋、
新野 靖

海水総合研究所研究報告第1号、p43(1999)

平成11年度

8

塩の添加物分析 食塩中のグルタミン酸ナトリウムの定量

古賀 明洋、
新野 靖

海水総合研究所研究報告第1号、p46(1999)

平成11年度

9

融雪塩用防食剤の開発

党 弘之、
鍵和田 賢一

海水総合研究所研究報告第1号、p51(1999)

平成11年度

10

湿潤塩の粒度測定法の改善 微粒二酸化ケイ素を分散したアルコールによる前処理

篠原 富男、
鍵和田 賢一

海水総合研究所研究報告第1号、p54(1999)

平成11年度

11

製塩工程における水分のインライン測定法の検討

古賀 明洋、
新野 靖

海水総合研究所研究報告第1号、p59(1999)

平成11年度

12

ヨーロッパ塩業視察報告

長谷川 正巳

海水総合研究所研究報告第1号、p65(1999)


平成19年度

No.1
題目  微結晶の付着現象による結晶成長速度向上の検討
筆者  正岡 功士、長谷川 正巳
掲載頁  海水総合研究所研究報告第9号p1(2007)
要旨   結晶成長速度を向上させるための基礎的検討として、流動層型晶析装置を用いた結晶成長実験を行い、母液中の懸濁微結晶数が塩化ナトリウム結晶の結晶成長速度におよぼす影響について検討した。実験において、成長による種晶の重量増加は結晶成長時間に比例した。その結晶重量の増加速度と過飽和度との比は母液中の懸濁微結晶数と直線で近似できた。このことから、重量基準の結晶成長速度は(dw/dt)av=(A+BNfine?Cで表すことができた。次に結晶成長速度の向上が結晶中の液泡量に与える影響を検討した。各実験で得られた結晶の873Kおよび413Kにて乾燥させた場合の重量減少をそれぞれ測定し、両者の差を液泡の水分と見なした。その結果、液泡量への結晶成長速度向上の影響は小さいと考えられた。

No.2
題目  製塩環境中のステンレス鋼の孔食電位に対する塩化物イオン濃度ならびにpH,液温の影響
筆者  中村 彰夫、井上 博之 *   * :大阪府立大
掲載頁  海水総合研究所研究報告第9号p6(2007)
要旨   SUS316鋼の孔食電位を、製塩の典型的かん水、濃縮かん水および母液を模擬した溶液中で測定した。種々の条件下で測定された孔食電位を比較することにより、このステンレス鋼の孔食に対する感受性に溶液の塩化物イオン濃度、pHや温度がどのように影響するか評価した。pH領域が中性近傍の場合、孔食電位は溶液のpHに殆ど依存しない。しかし、高pH域では、環境の組み合わせによって決まるある臨界水準を越えると、孔食電位はpHとともに顕著に貴化した。電位走査法で測定された孔食電位VC100と各環境因子の強度とは、本実験で用いた溶液組成の範囲内では、以下の関係を示した。 VC100= -0.218log(Cl-) + 535/T +0.0224pH-1.48 Cl-TおよびpHは、それぞれ、溶液の塩化物イオンの重量モル濃度、温度(K)およびpHを示す。

No.3
題目  塩化ナトリウム結晶に付着した微量苦汁成分の固結現象への影響
筆者  鴨志田 智之
掲載頁  海水総合研究所研究報告第9号p12(2007)
要旨   当センターの販売商品である「食塩」のように、わずかに苦汁成分が存在する乾燥塩における吸湿固結を検討した。この結果、吸湿環境下ではCaCl2とMgCl2が6水和物相当量になるまで水分が増加し、その過程において微結晶が析出することが明らかになった。また、製造直後のH2O/(CaCl2+MgCl2)が6より小さいほど微結晶の析出量が多く、吸湿固結現象が顕著になることが示唆された。

No.4
題目  煮豆における塩類の影響
筆者  眞壁 優美
掲載頁  海水総合研究所研究報告第9号p15(2007)
要旨   大豆の煮豆における塩類濃度およびその組成を変化させたときの塩類の影響について検討するため、煮豆の破断応力および皮付き率を測定した。塩種および塩類濃度により煮汁のpH、破断応力、皮付き率が変化することがわかった。破断応力については、煮汁のpHによる効果に加え、カルシウムの影響が見られ、皮付き率については、煮汁のpHに依存した。煮汁のpHの変化は、大豆タンパク質と塩類との結合によって水素イオンが放出されることにより起こる可能性が示唆された。

No. 5
題目  ウメ漬けにおける塩種の違いが脱水、浸透作用におよぼす影響
筆者  中山 由佳、党 弘之(研究調査部)、眞壁 優美
掲載頁  海水総合研究所研究報告第9号p21(2007)
要旨   苦汁成分、水分、粒径、結晶形状が異なる4種類の市販食用塩を用いて、塩種の違いがウメ漬けにおける脱水、浸透作用におよぼす影響について検討を行った。28日間のウメ漬け後において、脱水量は加えた塩の全塩分量に応じて増加した。また、Na、Mg、Ca、SO4イオンおよびKは、塩からウメへの浸透あるいはウメから漬け液への移動を生じることにより、ウメと漬け液との間で一定の濃度比に到達すること、リンゴ酸およびクエン酸については、ウメから漬け液への移動が一方的に生じ、一定値になることが示唆された。

No.6
題目  食品に残留する農薬等のポジティブリスト制度について
筆者  野田 寧
掲載頁  海水総合研究所研究報告第9号p25(2007)
要旨   2006年5月29日に食品衛生法が改正され食品中に残留する農薬等に係るポジティブリスト制度が施行された。このポジティブリスト制度では全ての食品に対して、全ての農薬、動物用医薬品、飼料添加物について残留基準が設定されている。残留基準は、ポジティブリスト制度以前の残留基準に加え、暫定基準、一律基準が設定されている。本報では、ポジティブリスト制度について解説し、その対応について簡単に示した。また、財団法人塩事業センターで取り扱っている製品である塩も食品であるため、ポジティブリスト制度への対応を概説した。

No.7
題目  ジルコニウム担持陽イオン交換樹脂濃縮/イオンクロマトグラフ法による塩化ナトリウム試薬中の硫酸イオンの分析
筆者  新野 靖

掲載頁  海水総合研究所研究報告第9号p32(2007)
要旨   塩化ナトリウム試薬中の微量硫酸イオンを、ジルコニウムを担持した弱陽イオン交換樹脂カートリッジを用いて吸着分離した後、イオンクロマトグラフ法で測定する方法を検討した。硫酸イオンはpH2〜4でほぼ100%吸着し、0.05mol/L水酸化ナトリウムを5mL以上通液することにより脱着した。硫酸イオンは塩化ナトリウム20%溶液中でも選択的に吸着された。塩中の硫酸イオンの定量下限は、10%溶液50mL処理で0.02mg/kgであった。本法により、市販の標準試薬、特級試薬、一級試薬および局方の塩化ナトリウム試薬中の硫酸イオンの定量が可能となった。


No.8
題目  韓国における市販塩の品質調査
筆者  澤田 麻衣子、谷井 潤郎

掲載頁  海水総合研究所研究報告第9号p36(2007)
要旨   韓国で収集した食用塩を対象に、主成分、微量成分などの分析を行い、これら食用塩の品質を検討した。
1)再製塩については、天日塩と比較して塩化ナトリウム純度が高い製品が多かった。また、ほとんどの製品のせんごう方式は平釜式だと考えられた。
2)焼・熔融塩については、収集した全ての製品が乾燥塩であり、pH9以上で塩基性塩化マグネシウムが生成している可能性があること、結晶形が原料塩のままである可能性が高いことから、加熱の温度は塩化ナトリウムの融点以下であると考えられた。
3)精製塩の品質は日本の食塩と同程度だった。
4)加工塩については、分析した製品3点中の2点が天日塩と精製塩を混合させて製造したものであり、分析値は天日塩相当であった。このように、異なる塩種を混合させて製造した塩は加工塩以外にもあり、今回分析した47点中には8点あった。
5)天日塩の品質には大きくばらつきがあり、オーストラリア塩、メキシコ塩などと比べて塩化ナトリウム純度は低かった。
6)CODEX有害5元素を分析した結果、水銀、カドミウム、鉛、銅は検出されなかった。ヒ素については、海藻が添加された製品1点からわずかに検出されたが、CODEX規格値を満足しており、安全性には問題ないと考えられた。

No.9
題目  食品中に残留する農薬等の基準に係るポジティブリスト制度への対応 ―分析法の開発状況とセンター販売商品における農薬等の検査結果(No.2-1、No.2-2)―
筆者  野田 寧

掲載頁  海水総合研究所研究報告第9号p41(2007)
要旨   食品衛生法の改正により「食品中に残留する農薬等の基準に係るポジティブリスト制度」が施行された。当センターが販売する商品について、製造・流通過程および商品中に農薬等の混入がないことを検証するための、検査項目として農薬等116項目を選定した。選定した農薬等に関して分析方法を構築するとともに、当センターが販売する商品について農薬等の検査を実施した。


No.10
題目  塩製造技術高度化研究開発事業2006年度報告
筆者  吉川 直人

掲載頁  海水総合研究所研究報告第9号p48(2007)
要旨   塩事業センターはイオン交換膜法製造業者の委託を受け、2006年4月に塩製造技術高度化研究開発事業を立ち上げ、採かん工程の高度化に向けた研究開発を開始した。本報告では、本事業の概要について述べるとともに、2006年度に実施した次世代イオン交換膜の研究開発の概要について述べる。

平成18年度

No.1
題目  現行砂ろ過器の複層化による改善効果について
筆者  麻田 拓矢、渕脇 哲司、吉川 直人
掲載頁  海水総合研究所研究報告第8号p1(2006)
要旨   複層ろ過が可能なろ材としてシャモットを選定し、シャモットを用いた複層ろ過について工程への適用性を検討した。工程試験の結果、複層化によりろ過器の圧損上昇速度を抑制することができたため、逆洗頻度の大幅な低減が可能であった。また、逆洗によるシャモットの層高の経時変化を検討した結果、2年相当の運転でシャモットが磨耗する可能性が示唆されたが、その場合においても圧損上昇速度を抑制することが可能であった。

No.2
題目  Permeability of Zinc Ions across Ion-Exchange Membrane of Ion-Exchange Electrodialyzer
筆者  永谷 剛、吉川 直人
掲載頁  海水総合研究所研究報告第8号p6(2006)
投稿先  Journal of Membrane Science Vol.275,pp.37-45 (2006)
要旨   海水中で様々な溶存形態で存在する重金属イオンのイオン交換膜透過性評価法として、陰イオン交換膜における臭化物イオンや硫酸イオン透過性より得られた、1価及び2価陰イオン透過モデル式を提案した。また、陽、陰イオン交換膜における亜鉛イオン溶存種の透過性を陽、陰イオン交換透過モデル式を用い解析した。結果、陽イオン形をとる亜鉛イオン溶存種の透過速度は塩分濃度の上昇とともに、存在割合の低下に従い減少し、陰イオン形をとる亜鉛イオン溶存種の透過性は塩分濃度の上昇とともに、存在割合の増加に従い増加した。

No.3
題目  電気透析槽に用いられるイオン交換スペーサーの合成法
筆者  永谷 剛、吉川 直人
掲載頁  海水総合研究所研究報告第8号p15(2006)
要旨   イオン交換膜合成法を参考とし、網状高分子ネットを基材として、イオン交換スペーサーを合成した。得られた、陽、陰イオン交換スペーサーのイオン交換容量は0.8〜1.0 meqg-1-dryであり、市販のイオン交換膜と比較し、遜色のない値を示した。また、電気透析槽にイオン交換スペーサーを充填することによる影響を検討するため、セル抵抗を測定した結果、イオン交換基を導入していないスペーサーを使用した場合と比較し、イオン交換スペーサーを使用した場合、抵抗値が減少した。

No.4
題目  撹拌槽型連続晶析装置を用いた塩化ナトリウムの結晶成長現象と結晶品質の関係
筆者  正岡 功士、長谷川 正巳、篠原 富男
掲載頁  海水総合研究所研究報告第8号p19(2006)
投稿先  日本海水学会誌 60(4) 、 p296 (2006)
要旨   連続式撹拌槽型晶析装置を用い、塩化ナトリウム結晶について結晶成長速度と結晶品質との関係を検討した結果、以下の知見が得られた。(1)結晶形状は、操作因子に影響されず、粒径が小さい場合には立方体で、粒径が大きくなるとともに磨耗が観察され、角が取れて球状となった。(2)液泡量は操作因子に影響されず、結晶成長速度の増加に伴い減少した。(3)カリウムおよび臭化物イオン取込濃度は結晶成長速度の増加に伴い僅かに増加する傾向を示した。(4)取込濃度は粒径が大きくなるとともに減少するが、粒径が大きくなり磨耗が生じると取込量は増加した。また、凝集現象が顕著と考えられる条件では(3)の取込量の増加を抑制した。以上のことから、微結晶の付着現象がカリウムおよび臭化物イオン取込濃度を抑制すると考えられた。

No. 5
題目  製塩装置防食への外部電源法適用時における発生塩素挙動の検討
筆者  加留部 智彦、吉川 直人、中村 彰夫
掲載頁  海水総合研究所研究報告第8号p25(2006)
要旨   外部電源法を製塩工程で用いられる装置材料の防食に適用した場合、アノードにおいて塩素が発生し、残留塩素は工程溶液中の臭化物イオンを臭素酸に酸化する。残留塩素および臭素酸は水道法において、それぞれ目標値および基準値が設定されているため、外部電源法の導入には注意が必要である。著者らはこれらの生成機構をモデル化し、工程溶液中の次亜塩素酸および臭素酸濃度を推定する方法を検討した。また、この方法を用いてSUS316製蒸発缶に外部電源法を適用した場合の、蒸発缶缶内液の次亜塩素酸および臭素酸濃度を推定した。本推定方法は、防食する装置の材質、箇所、面積に応じて、工程溶液中の次亜塩素酸、臭素酸濃度を推定することができるため、外部電源法の導入を検討する際に有用である。

No.6
題目  豆腐のゲル強度に及ぼす塩類の影響
筆者  眞壁 優美
掲載頁  海水総合研究所研究報告第8号p31(2006)
投稿先  日本海水学会誌 60(4) 、 p302 (2006)
要旨   塩類濃度およびその組成を変化させたときの食感に及ぼす影響について検討するため、大豆加工製品である豆腐を対象として、豆腐ゲルのゲル強度を測定し検討を行った。マグネシウムイオンやカルシウムイオンのように2価陽イオンを持つ塩のゲル強度への効果は大きかった。1価の陽イオンを持つ塩と2価の陽イオンを持つ塩では、2価の陽イオンを持つ塩の方がゲル強度に対する効果は大きかった。塩化マグネシウムと塩化カルシウムでは、0.05mol/l以上の高濃度領域においてゲル強度に対する効果が異なり、塩化マグネシウムにおいてゲル強度が減少した。また、塩化マグネシウム-塩化ナトリウム混合溶液を用いた場合においては、塩化ナトリウムはゲル強度に対して大きな影響はないが、保水力に関与することが示唆された。

No.7
題目  食品中の残留農薬等に関するポジティブリスト制度とセンターの対応
筆者  野田 寧

掲載頁  海水総合研究所研究報告第8号p35(2006)
要旨   当センターでは、海水総合研究所が主体となって、以下に述べるような手段により、当センター製品およびその製造工程において農薬等が残留しないことを検証する予定である。
1) 当センター製品およびその製造工程の調査
当センター製品中に農薬等が混入していないことを検証するとともに、海水環境、製造工程調査を実施し、製造工程において農薬等の混入がないことを検証する。
2) 工程における農薬等の挙動研究
海水のろ過、イオン交換膜法による濃縮、晶析などの分離工程における農薬等の挙動を明らかにし、製造工程において農薬が混入しないことを科学的に検証する。
3) 周辺環境の実態調査
製造工程における周辺環境を調査することにより、周辺環境の汚染がないこと、また前述の製造工程調査と合わせて周辺環境から生活用塩、および製造工程への農薬等の混入がないことを検証する。


No.8
題目  韓国塩事情調査
筆者  谷井 潤郎、芳賀 麻衣子、神取 たか子(研究調査部)、丸山 高志(企画部)
掲載頁  海水総合研究所研究報告第8号p38(2006)
要旨   韓国では食品公典により国家として食用塩の規格が定めているが、その規格には、いくつか興味深い点があった。有害微量元素がCODEXの食用塩規格から銅を除いたものとなっていること、また、「焼・熔融塩」にのみ、“溶解分”に加え“砂分”という項目があること、主成分では“カルシウムイオン”や“マグネシウムイオン”がないのに“硫酸イオン”だけ定められていることなどである。これらの規格は、国家として必要であるが故に定められたと思われるので、規格制定の経緯が分かれば、食用塩の安全性に対する韓国の考え方の一端が見えてくると考えられる。
韓国以外の諸外国の食用塩の安全性に関する考え方を調査することにより、日本における食用塩の安全性はどのようにするのが適切であるのかを検討する資料となるのではないかと考えられ、今後も調査を行なうことは有益と考える。

平成17年度

No.1
題目  製塩工程の自動化技術(第 5 報)−沈降式インライン粒径分布測定装置の開発−
筆者  長谷川 正巳、正岡 功士、加留部 智彦
掲載頁  海水総合研究所研究報告第7号p1(2005)
要旨   晶析装置から採取した懸濁結晶を予め沈降脚に沈降させて分級し、結晶群が透過型吸光度計を通過したときの吸光度変化より、粒径分布を測定する方法を検討した。
  所定の粒径範囲に分級した試料の出力の立ち上がり時間を、その粒径範囲内の最大粒子が吸光度計に到達する時間として、吸光度変化における経過時間を粒径に換算した。さらに、所定の粒径範囲における吸光度の積算値を重量で表し、粒径範囲ごとに検量線を作成した。この検量線を元に種々の粒径分布をもつ試料に適用して粒径分布を測定した結果、良好な測定値が得られた。
  次に、製塩晶析装置で想定される種々の課題を検討し、上記結果と共に、工程に適用可能な装置構造を設計し、実際に適用して実用性を検証し、オンタイムに良好な精度で測定可能なことを明らかにした。

No.2
題目  市販にがりの品質調査
筆者  芳賀 麻衣子、新野 靖、西村 ひとみ、関 洋子
掲載頁  海水総合研究所研究報告第7号p8(2005)
要旨   市販されているにがりの品質を調査することを目的とし、収集したにがりについて、主成分、微量成分の分析を行った。にがりには、海水をそのまま濃縮した製塩にがりと海水をイオン交換膜で濃縮した製塩にがりがあるが、後者のにがりの方が高濃度で Ca が含まれているといった特徴がみられた。各にがりの全塩分濃度には大きな差はないが、 Mg 濃度は 1.0 〜 5.0% 、 NaCl 濃度は 2.4 〜 21.9% と商品によって濃縮度がまちまちであり、同量使用した場合、調理品の仕上がりや味覚などへの影響が考えられた。
  微量成分では、Zn 、Cu 、Ni 、Fe,およびMnを多く含むにがりが見られた。これらは、海水からにがりへの濃縮を考慮した濃度よりも多く含まれている為、海水中に溶存している成分以外からの混入であると考えられた。その他、 Mo が海水の濃縮度に比例して含まれていること、また、海洋深層水利用商品の成分がその他の商品と差が見られないことなどの知見が得られた。

No.3
題目  イオン交換膜の高性能化による製塩コスト低減効果に関するシミュレーション
筆者  吉川 直人
掲載頁  海水総合研究所研究報告第7号p13(2005)
投稿先  日本海水学会誌 59(4) 、 p273 (2005)
要旨   イオン交換膜製塩プロセスにおけるイオン交換膜の電気抵抗の低減による製塩コスト低減効果についてシミュレーションにより検討した。シミュレーションは電気透析槽と 4 重効用の蒸発缶による製塩プロセスを用い、エネルギーコスト、設備コストの和を製塩コストとして算出した。その結果、イオン交換膜の電気抵抗を 50% 低減することにより、エネルギーコストは 2.5 %、設備コストは 5.6 %、製塩コストは 8.1% 低減されることが分かった。製塩コストの低減効果は決して大きくはなかったが、膜の耐久性向上による設備コスト低減の可能性もあり、イオン交換膜の高性能化は製塩コストを低減していく上での一つの柱であると考える。

No.4
題目  各種製塩プロセスの製塩コスト比較に関するシミュレーション
筆者  吉川 直人、奥山 邦人 * * :横浜国立大
掲載頁  海水総合研究所研究報告第7号p22(2005)
投稿先  日本海水学会誌 59(4) 、 p282 (2005)
要旨   現状技術で実現可能な蒸発法(多重効用法、蒸気圧縮法およびこれらの組み合わせ)によるシミュレーションを実施し、イオン交換膜製塩法と比較することにより、製塩コスト低減の可能性について検討した。その結果、製塩コストはイオン交換膜製塩法と比較して多重効用法において 1.63 倍、蒸気圧縮法において 2.62 倍、多重効用法と蒸気圧縮法の組み合わせにおいて 1.60 倍となり、蒸発法だけを用いる製塩プロセスによるコスト低減は難しいことが確認された。このため、現状の製塩プロセスであるイオン交換膜製塩法を基本とした改善によりコスト低減を図ることが重要であると考える。

No. 5
題目  高速ろ過装置設計諸元の基礎的な検討
筆者  渕脇 哲司、麻田 拓矢
掲載頁  海水総合研究所研究報告第7号p32(2005)
要旨    イオン交換膜製塩工場における海水前処理装置の高性能化を目的に、繊維状ろ材を用いるろ過装置開発の可能性を検討した。本研究では、圧密充填可能な不織布をろ材として採用し、ろ過性能に関わる要因を検討した。その結果、ろ過性能にはろ層の圧密度が関係し、圧密度が高くなるほどろ過海水の水質は向上し、清澄化時間も短縮できることが明らかとなった。しかし、圧密度が高くなるとろ過装置の圧力上昇が早く、逆洗周期が短くなることもわかった。そこで、円筒形のカラム下部にコーンを設置した構造を考案し、円筒部で濁質粒子の粗取りを行い、残った粒子をコーン部で効率的に捕捉することを検討した。この検討により、ろ過流速 60m/h で、清澄化時間 1 h、清澄化時間以降のろ過海水の FI 値を 3.5 以下、逆洗間隔を 12 時間以上とすることができ、実用化に関する設計諸元を得ることができた。

No.6
題目  せんごう塩の流動性評価に関する検討 ―流動性評価におけるモデルの適用―
筆者  鴨志田 智之、篠原 富男
掲載頁  海水総合研究所研究報告第7号p37(2005)
要旨    せんごう塩の流動性評価においてモデル化した粉体層強度の適用を検討し、有用性を明らかにした。また、粒子間力がせんごう塩の流動性において支配的因子であることをモデル化の過程で明らかにした。

No.7
題目  塩の結晶形状変化
筆者  鍵和田 賢一

掲載頁  海水総合研究所研究報告第7号p41(2005)
要旨   

No.8
題目  ヨーロッパの製塩工場、製塩プラント調査 
筆者  加留部 智彦、長谷川 正巳
掲載頁  海水総合研究所研究報告第7号p44(2005) 
要旨   ヨーロッパの製塩工場における腐食の現状、防食対策、装置材料の使用状況および晶析技術について調査した。結果は以下の通りである 。
1) MESSO 社は天日塩、岩塩を原料とした製塩プラントを製作しており、晶析装置の型式は 3 種類で粒径により装置型式を選択する。 FC 型と OSLO 型は吐出管が晶析装置中央部まで伸び、上向き噴流により良好な結晶流動状態が得られている。
2) SALINEN 社の塩形状は 14 面体結晶であるため、生かん水、精製かん水および母液について重金属、リンを分析した結果、母液のみからリンが検出された。同社の晶析工程ではポリリン酸を添加していることから、媒晶作用により 14 面体結晶が生成したと推定した。
3) ヨーロッパでは一般に晶析装置材料の蒸発缶にモネルクラッド、加熱缶チューブにチタンまたはモネルを使用している。また、缶内母液の pH は我が国と大きく異なり、装置材料の腐食性の相違に影響していることが推測された。なお、 AKZO 社では DO 管理を行い、気密性の早期補修による防食対策を行っている。

No.9
題目  オーストラリア塩田の概況 
筆者  野田 寧
掲載頁  海水総合研究所研究報告第7号p51(2005)
投稿先  ソーダと塩素 2005,11・12、VOL56,p237
要旨    オーストラリア塩田の視察を行い、ポート・ヘッドランド塩田、オンスロー塩田およびシャークベイ塩田について、製塩に関する技術情報の収集と整理を行った。上記の 3 塩田について沿革、気象条件をはじめ、蒸発池、調節池、結晶池、洗浄プラントおよび貯塩・搬出における塩田、装置類の規模や塩、苦汁などの主成分、重金属濃度等について要約した。また、 GPS による水平位置の確認、データ通信などの革新的な採塩方法の進捗状況、塩田造成および拡張計画とその現状等について紹介した。
  将来的に上記塩田の概要に変化は少ないと考えられるが、今後も情報更新やデータの充足が必要である。

平成16年度

No.  1
題目  市販食塩の品質(U)
筆者  新野 靖、西村 ひとみ、古賀 明洋、中山 由佳、芳賀 麻衣子
掲載頁  海水総合研究所研究報告第6号p1(2004)
投稿先  日本調理学会誌、36(3)、p305(2003)
要旨   市販食用塩の主成分、微量成分、添加物および生菌の調査を行い、以下の結果を得た。
1) 国産製品は、輸入製品に比べてにがりを多く含んだ製品が多く、不溶解分が少ない傾向が見られた。輸入された天日塩製品の中には不溶解分および重金属が多いものが見られた。
2) ヒ素が0.5mg/kg(CODEX 食用塩規格(案)上限値)以上検出された製品が3点見られた他、銅,クロム,ニッケル,亜鉛が高濃度に検出された製品も見られた。
3) 生菌検査では、測定試料全てが陰性であった。
4) フェロシアン化物が検出された製品は4点あった。

No.  2
題目  蛍光X線分析装置を用いる塩製品中の微量元素の簡易分析の可能性
筆者  眞壁 優美、吉川 直人
掲載頁  海水総合研究所研究報告第6号p15(2004)
投稿先  日本海水学会誌58(1)、p80(2004)
要旨   波長分散型およびエネルギー分散型蛍光X線分析装置を用いて、塩製品中の主要成分(Mg2+,SO42-,K+,Ca2+,Br-)の簡易定量の可能性および定量精度について検討した。試料調整法についてはMg2+は、Mg(OH)2沈殿を用いた沈殿法、SO42-は、BaSO4沈殿を用いた沈殿法、K+,Ca2+,Br-は、点滴濾紙法および液体法を用いた。その結果、液体法を用いた場合と比較し点滴濾紙法を用いた場合の方が、測定精度は良好で、低い成分含有量まで定量可能であることが示唆された。沈殿法では、測定精度が試料調整操作に依存することが分かった。また、Mg2+,SO42-については沈殿法、K+,Ca2+,Br-については点滴濾紙法を用いた場合の 結果を基に、塩製品への適用の可能性を判断した。エネルギー分散型を用いた場合と比較し、波長分散型を用いた場合の方が、低い成分含有量まで定量可能であり、高純度塩ではSO42-、乾燥塩ではMg2+,SO42-およびBr-、湿塩では全ての対象成分について定量可能であることが示唆された。

No.  3
題目  イミノ二酢酸キレートディスク予備濃縮/プラズマ発光分光分析法による塩中の微量金属の定量
筆者  新野 靖、古賀 明洋
掲載頁  海水総合研究所研究報告第6号p20(2004)
投稿先  日本海水学会誌、58(1)、p85(2004)
要旨   塩中の微量金属元素(Al,Cd,Co,Cu,Fe,Mn,Mo,Ni,Pb,Ti, V,Znの12元素)をイミノ二酢酸キレートディスクで濃縮し、硝酸で溶離して ICP-AES法で定量する条件を検討し、得られた条件で市販食用塩中の微量金属元素を定量した。その結果、12元素を水溶液中から同時回収できる処理条件はpH4.5であったが、この条件下では塩中のマトリックス成分(NaCl,Ca,Mg)の影響を受け、回収率が低下する元素(Cd,Mn,Pb)があった。これらの元素はpH8.8で処理することによりマトリックス成分の影響を受けずに濃縮が可能であった。本法の定量下限は、塩試料50gを処理した場合、感度が低いAl,Pbを除いて5μg/kgであり、また、2μg添加試料を繰返し処理した時の変動係数は5%以下と良好であった。本試験で得られた測定条件を用いて市販食用塩中の微量金属元素を測定した結果、多くの元素の定量が可能となり、異なるpH(4.5,8.8)で定量した元素(Cu,Ni,Fe,Ti,Zn)の定量値はよく一致し、また、高濃度の元素は、ICP-AESによる直接分析結果とよく一致した。

No.  4
題目  製塩における晶析技術の研究と開発動向
筆者  長谷川 正巳
掲載頁  海水総合研究所研究報告第6号p28(2004)
投稿先  日本海水学会誌、57(4)、p256(2003)
要旨   製塩における晶析技術の研究、開発動向に関して、当研究所で実施してきたこれまでの晶析研究を紹介した。また、今後の研究の展開として、粒径動的制御、不純物によるNaCl結晶成長への影響についても、研究の方向性を示した。

No.  5
題目  赤外線吸収スペクトル解析による塩の水分、平均粒径およびマグネシウムイオン濃度の同時測定法の検討
筆者  正岡 功士、長谷川 正巳
掲載頁  海水総合研究所研究報告第6号p32(2004)
要旨   塩の水分、マグネシウムイオン濃度および平均粒径の同時測定法を開発することを目的として、赤外線吸収スペクトルから各物性と吸光度との関係を検討した。その結果、各物性が変化することにより吸光度が変化した。何れの物性が変化した場合にもスペクトルを測定した全波長範囲で吸光度変化が見られ、その寄与率は波長によって異なった。測定される吸光度はそれらを全て加算したものであることから、寄与率が大きく異なる複数の波長の吸光度を測定して、測定する物性以外の寄与を計算上分離することで、平均粒径、水分およびマグネシウムイオン濃度が同時に測定できると考えられた。

No.  6
題目  イオン交換膜法かん水の濃縮特性
筆者  正岡 功士、加留部 智彦、中村 彰夫、篠原 富男
掲載頁  海水総合研究所研究報告第6号p37(2004)
要旨   ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩化物、臭化物および硫酸イオンを対象に、現状のイオン交換膜かん水相当の組成をもつ、モデルかん水および濃縮液を調製し、濃縮過程における溶解平衡データを測定した。
得られた結果を解析し、純塩率87〜93%、濃縮温度50〜90℃の範囲でイオン交換膜かん水濃縮液中の塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、臭化マグネシウム濃度をモデル化した。モデルは製塩工場の晶析装置内溶液の組成を良好に再現した。

No.  7
題目  食塩の吸湿固結防止法の検討
筆者  党 弘之、鴨志田 智之、篠原 富男
掲載頁  海水総合研究所研究報告第6号p45(2004)
要旨   食塩の吸湿固結原因の究明と固結防止法の確立を目的に検討を行った。吸湿固結には結晶表面に付着した共存成分組成と初期水分が影響し、乾燥塩において結晶表面のKCl/MgCl2値が小さい場合におこることを明らかにした。そこで、遠心分離時に苦汁を添加することによって結晶表面のKCl/MgCl2値を調製する固結防止法を検討し、その有効性を確認した。

No.  8
題目  中国井鉱塩工業に関する調査報告
筆者  長谷川 正巳
掲載頁  海水総合研究所研究報告第6号p51(2004)
要旨   2003年10月、中国自貢市軽工業設計研究院の招請を受けて講演した中国井鉱塩技術セミナーについて、また、製塩プラント2社と設計研究院に関する情報について紹介した。

No.  9
題目  平成15年度海外研修報告−アメリカ及びメキシコ視察に参加して−
筆者  野田 寧
掲載頁  海水総合研究所研究報告第6号p55(2004)
要旨   平成16年1月31日から2月9日の平成15年度海外研修において、米国カーギル社およびメキシコESSA(Exportadora de Sal, S.A. de C.V.)社を見学し、その概要について紹介した。

平成15年度

No.  1
題目  広範囲の粒径に適用可能な溶解速度表示法
筆者  党 弘之、鴨志田 智之、谷井 潤郎、篠原 富男
掲載頁  海水総合研究所研究報告第5号p1(2003)
投稿先  日本海水学会誌56(3)、p256(2002)
要旨   塩の溶解速度測定における現行カラム法の問題点を明らかにするとともに、攪拌法における測定条件の検討を行った。攪拌法では全粒子が浮遊する条件で溶解することにより溶解理論に適合する溶解速度値が得られた。また、分級した試料を標準試料として相対溶解速度を算出することにより、装置や溶解条件の異なる測定値間の比較が可能となった。

No.  2
題目  製塩工程管理のための自動、簡易測定システムの開発
筆者  吉川 直人、眞壁 優美
掲載頁  海水総合研究所研究報告第5号p5(2003)
投稿先  日本海水学会誌、56(5)、p374(2002)
要旨   製塩工程管理の自動化、省力化を目的として、工程溶液、塩製品を対象とした種々の自動、簡易測定システムを開発した。開発した測定システムは、いずれも汎用性の高い測定機器を用いており、比較的安価である。自動測定システムは無人運転ができ、簡易測定システムは試料の前処理をほとんど必要としない。いずれの測定システムにおいても工程管理する上で十分な測定精度を有し、一部のシステムは既に工程管理に利用されている。本報告では、各測定システムの測定原理、機器構成、製塩工程適用例について述べた。

No.  3
題目  イオン交換膜電気透析槽における銅(U)イオンの溶存種ごとの陽イオン交換膜透過挙動
筆者  永谷剛、吉川直人
掲載頁  海水総合研究所研究報告第5号p22(2003)
投稿先  電気化学および工業物理化学、70(7)、523 (2002)
要旨  高濃度塩化物イオン水溶液中における銅の溶存種(Cu2+,CuCl+)ごとの陽イオン交換膜透過性について透過速度モデル式を用いて検討した.銅イオン透過速度モデル式はモデルカチオン透過速度モデル式及び平衡定数を用いる溶存種の溶存割合推定式より作成した。作成した銅イオン透過速度モデル式及び実験データを用いてCu2+、CuCl+透過速度を算出した。その結果、低塩化物イオン濃度領域においてはCu2+透過速度のしめる割合が大きく,高塩化物イオンにおいてはCuCl+透過速度が銅イオン透過速度に占める割合が大きく,銅イオンに特徴的な透過挙動を定量的に説明することが出来た。またCuCl+は1価カチオンであるKとまた,Cu2+は2価イオンであるCa2+と類似の透過挙動を示すことが解った。

No.  4
題目  塩化ナトリウム結晶成長における不純物の影響
筆者  長谷川 正巳、正岡 功士
掲載頁  海水総合研究所研究報告第5号p30(2003)
投稿先  日本海水学会56(5)、p346(2002)
要旨   イオン交換膜透析法かん水中の主要不純物である塩化マグネシウム、塩化カルシウムおよび塩化カリウムの塩化ナトリウム結晶成長への影響を検討した。1)結晶が成長を開始するまでの誘導時間はいずれの不純物存在下でも過飽和度に対し指数関数で良好に相関され、塩化マグネシウム、塩化カルシウム存在下では指数はこれら不純物濃度に関係なく一定値を示した。2)塩化カリウム存在下での誘導時間も過飽和度に対して指数関数で相関されるが、指数はカリウム濃度が高くなる程小さくなった。またカリウムイオンの取り込みは結晶成長過程で結晶表面の荒れが形成されるときに増大し、粒径が増加しながら表面が修復される過程では減少することがわかった。3)不純物存在下では結晶成長速度係数が小さくなり結晶の成長が抑制されるが、これは不純物が結晶表面の荒れの形成および微結晶の付着を阻害するためと考えられた。

No.  5
題目  市販食用塩中のヨウ素量
筆者  新野 靖、西村 ひとみ、古賀 明洋
掲載頁  海水総合研究所研究報告第5号p34(2003)
投稿先  日本海水学会誌57(2)、p134(2003)
要旨   市販食用塩中のヨウ素量をICP-MS法により測定した結果、塩種別に以下のような特徴が示唆された。海水を蒸発濃縮した塩のヨウ素量は、平均値が0.3mg/kgと多く、塩化マグネシウム量に比例して含まれ、ヨウ素と塩化マグネシウムとの比は概ね海水と近い値を示した。輸入天日塩を溶解再結晶した塩のヨウ素量は、0.1mg/kg未満と少なかった。イオン交換膜電気透析法によるかん水から製造した塩は、一点を除き0.2mg/kg未満であるが製品毎にヨウ素量の差が見られた。この一因としては、イオン交換膜電気透析におけるヨウ素の濃縮特性の相違によるものと推測された。

No.  6
題目  数値計算によるイオンかん水濃縮特性値の算出
筆者  長谷川 正巳
掲載頁  海水総合研究所研究報告第5号p38(2003)
要旨   イオンかん水の濃縮特性値の算出に必要な物性値を実験式で表すことにより、一連の計算ロジックを数式化し、簡便に濃縮特性値を算出可能な数値計算法を提案した。

No.  7
題目  第5回海外研修報告
−ズートザルツ社バートライヘンハル工場(ドイツ)・ザリーネン社エベンゼー工場(オーストリア)
筆者  正岡 功士
掲載頁  海水総合研究所研究報告第5号p41(2003)
要旨   平成14年6月21日から29日にかけて行われた第5回当センター海外研修において、製塩メーカーであるズートザルツ社(ドイツ)およびザリーネン社(オーストリア)の工場を見学したのでその概要を報告。

No.  8
題目  塩の固結と包装
筆者  益子 公男
掲載頁  海水総合研究所研究報告第5号p47(2003)
投稿先  食包研 会報No.95、p.22(2002)
要旨   塩の固結防止に関する基礎的な方法と高純度塩の固結のメカニズムおよびその固結防止法として包装袋の内装に低水分のクラフト紙、外装に外気を遮断するためのポリエチレンを用いる固結防止方法について概説した。

平成14年度

No.  1
題目  塩中のヘキサシアノ鉄(U)酸塩の分析
-ヘキサシアノ鉄(U)酸鉄(V)の分離分析法-
筆者  古賀 明洋、新野 靖
掲載頁  海水総合研究所研究報告第4号p2(2002)
要旨   食用塩に含まれるヘキサシアノ鉄(U)酸イオン(フェロシアン化物イオン)の定量分析は、硫酸鉄(U)溶液を加えて生成したプルシアンブルー(以降、PB)の吸光度を測定する方法で行う。本方法の定量下限は1mg/kgであるが、それよりも低濃度の分析を行う際には、塩化ナトリウム存在下では水溶性PBが生成し、ろ過フィルターの水洗浄時に溶出して回収率が低下するため、十分な精度が得られない。しかし、硫酸鉄(U)溶液に塩化鉄(V)溶液を加えて(5×10-3M)反応させることにより、水溶性PBを生成させることなく濃縮分離を行うことができ、この試料の蛍光X線法および吸光光度法のそれぞれの検量線はNaCl濃度に影響されず、R2は0.99以上と良好な直線関係が得られた。本法を用いることにより従来法で1mg/kg であった測定下限を0.1mg/kgまで下げることができた。

No.  2
題目  全反射赤外減衰法による自動測定システムを用いる製塩工程試験
筆者  眞壁優美、吉川直人、永谷剛、久田知之*、石橋照也* *:赤穂海水
掲載頁  海水総合研究所研究報告第4号p8(2002)
投稿先  分析化学、50(11)、p747(2001)
要旨  製塩工程の自動化、省力化を目的として、製塩工程に適用可能な赤外全反射減衰法による晶析缶の缶内液組成測定について検討を行い、缶内液組成自動測定システムを構築した。本自動測定システムは缶内液を一定割合に希釈するための自動希釈機能および2種類の校正溶液の吸光度差を用いて簡易に検量線を校正する自動校正機能を持つシステムである。本自動測定システムを用いて製塩工場の缶内液組成測定の工程試験を実施した。その結果、缶内液中の塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム濃度が実用上十分な精度で安定的に自動測定可能であり、特に塩化マグネシウムについては高精度に測定可能であった。また、自動測定システムの工程適用における問題点はすべて解消することができ、40時間トラブルなしの連続自動測定を実現し、システムの信頼性が確保できた。

No.  3
題目  全反射赤外減衰法による高濃度塩類混合溶液組成測定のための検量行列簡易補正法
筆者  眞壁優美、吉川直人、久田知之*、石橋照也* *:赤穂海水(株)
掲載頁  海水総合研究所研究報告第4号p12(2002)
投稿先  分析化学、50(11)、p759(2001)
要旨  本研究では重回帰分析法を用いる組成測定法において2種類の校正試料を用いて検量線を短時間で簡易に校正する方法について検討した。本校正法は2種類の校正試料の吸光度差を用いて測定試料の吸光度差を補正する方法である。缶内液相当溶液を10/7倍希釈した溶液を測定試料として塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムの各成分についても校正を行った結果、校正を行った場合の誤差は検量線とほぼ同等であった。また、校正なしの場合と比較して校正を行った場合の方が平均誤差の平均値は小さくなった。
以上の結果より、本校正法は多数の検量線試料を用いて重回帰分析法により作成した検量線を2点の校正試料により短時間に簡易に校正する方法として有効であることが分かった。また、本校正法は固有の赤外吸収を持つ多成分系の試料の組成測定を行う場合や赤外光以外(近赤外光、紫外可視光、蛍光等)の分光光度法による分光データを用いて組成測定を行う場合においても適用が可能であると考えられる。さらに、重回帰分析法以外の多変量解析法(PLS法等)により作成された検量線に対しても応用が可能であると考えられる。

No.  4
題目  光学式変位計と赤外線水分計を用いる粉粒体粒径および水分インライン測定法
筆者  吉川直人、眞壁優美、山田文彦*1、小川襲*1、松本幹治*2 *1:ダイヤソルト梶A*2:横浜国大工学部
掲載頁  海水総合研究所研究報告第4号p18(2002)
投稿先  化学工学論文集、28(3)、p354(2002)
要旨  光学式変位計と赤外線水分計を用いる塩製品粒径および水分のインライン測定法について検討した。本測定法を製塩工程の平均粒径400〜1,000μm、水分0.9〜1.6%の塩製品測定に適用した結果、平均予測誤差は平均粒径について31μm、水については0.045%と良好なインライン予測が実現できた。このため、本測定法は粉粒体工業の工程管理に適用可能であることが示唆された。

No.  5
題目  NaCl流動層型晶析装置の溢流溶液中に懸濁した微結晶の部分溶解操作による粒径制御
筆者  長谷川正巳、豊倉賢*、*:早稲田大学理工学部
掲載頁  海水総合研究所研究報告第4号p18(2002)
投稿先  化学工学論文集、28(3)、p354(2002)
要旨  光学式変位計と赤外線水分計を用いる塩製品粒径および水分のインライン測定法について検討した。本測定法を製塩工程の平均粒径400〜1,000μm、水分0.9〜1.6%の塩製品測定に適用した結果、平均予測誤差は平均粒径について31μm、水については0.045%と良好なインライン予測が実現できた。このため、本測定法は粉粒体工業の工程管理に適用可能であることが示唆された。

No.  6
題目  放射線グラフト重合法によるイオン交換膜の合成
筆者  益子 公男、大久保 和也、大高 尚
掲載頁  海水総合研究所研究報告第4号p27(2002)
要旨   イオン交換膜の製造コストの低減策を検討した。現行実用膜より合成工程の簡略化ができコスト低減が見込まれる放射線グラフト重合法について、基材膜の種類、放射線照射量、溶媒および架橋剤の種類と濃度、反応温度等最適合成条件を検討した。その結果、HDPE(インフレーション製膜法)を基材膜として、電子照射線200KGy、反応溶媒は陽イオン交換膜(St:DVB:シクロヘキサン=36:4:60)、陰イオン交換膜(CMS:DVB:ベンゼン=76:4:20)および反応温度50℃の条件で合成した膜の性能が最も優れていた。開発膜の性能は目標とした実用膜と比較しCl電流効率、電気抵抗および破裂強度はほぼ同程度の値を示したが、膨張率は2〜3倍高く、劣っていた。また、海水濃縮試験の結果、実用膜に比較しやや濃度の高いかん水が得られたが電流密度が高くなるに従い電流効率が低下する傾向が見られた。

No.  7
題目  粒径分布解析法の検討
筆者  鴨志田 智之、長谷川 正巳
掲載頁  海水総合研究所研究報告第4号p41(2002)
要旨   塩の粒径分布表示法として良く用いられる正規確率分布法、対数正規確率分布法およびRosin-Rammler分布法について、表計算ソフトを用いた解析法および確率分布グラフの作成法を提案した。 また、製造法による製品結晶の粒径分布解析結果の差異によりせんごう塩については正規確率分布法が、粉砕塩についてはRosin-Rammler分布法がそれぞれ好適であることを見出した。

平成13年度

No.  1
題目  製塩工程における高濃度電解質水溶液の溶存酸素測定
筆者  大久保和也**:現在、日本たばこ産業(株)
掲載頁  海水総合研究所研究報告第3号p2(2001)
要旨  製塩工程で使用されるかん水や母液等の混合電解質溶液の溶存酸素濃度を25〜90℃の範囲でWinkler法により測定を行った。純水及び塩田かん水組成における溶存酸素濃度測定値は文献値と一致した。 また、25、50、90℃の各温度において塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウムそれぞれの水溶液における溶存酸素濃度測定結果から塩類効果係数を求めた。得られた塩類効果係数と混合電解質水溶液中の各電解質中のイオン強度より混合電解質水溶液中の溶存酸素濃度を推定し、測定値と良好な相関を得た。 以上の結果から、製塩工程で使用される混合電解質水溶液の溶存酸素濃度の推定が可能と考えられる。

No.  2
題目  高純度塩の固結防止機構(第1報)-包装袋の低水分化及び防湿包装による固結防止-
筆者  篠原富男、鍵和田賢一、党弘之、益子公男
掲載頁  海水総合研究所研究報告第3号p8(2001)
要旨  高純度塩の固結防止のため、乾燥処理により低水分化したクラフト紙を内層、防湿包装材料を外層とした構成の包装袋を開発し、各種の環境蔵置試験により固結防止の効果と作用について解析し、以下の結果を得た。1)低水分化したクラフト紙と防湿包装の構成とした包装袋内の相対湿度及び塩層空隙部の水分は各包装袋の中で最小値を示した。各包装袋内塩層部の相対湿度はクラフト紙水分が吸着等温線上で平衡水分となる相対湿度とほぼ一致した。2)包装袋のクラフト紙水分と固結とは高い相関を示し、低水分化したクラフト紙と防湿包装の構成とした包装袋はクラフト紙水分が一定値(約3%)以下の場合、長期間の固結防止効果を示した。3)精製塩包装袋内における水分の物質収支は、クラフト紙水分の占める割合が85%以上で圧倒的に多く、精製塩包装袋の固結はクラフト紙水分の温度変化に伴う吸・放湿現象が支配するものと考えられた。

No.  3
題目  フェロシアン塩添加による道路用塩の固結防止
筆者  小橋憲輔、党弘之、新野靖、雅楽川伸*、鍵和田賢一、篠原富男、益子公男*:現在、日本たばこ産業(株)
掲載頁  海水総合研究所研究報告第3号p18(2001)
要旨  フェロシアン化物は固結防止剤の中で最も効果の大きいものの一つである。欧米諸国では食品添加物として許可されているが、日本では安全性が確認されていないという理由で許可されていない。ここでは道路用に限定して粉砕塩を対象に、フェロシアン化ナトリウム(Yellow Prussiate of SodaよりYPSと称す)の添加による固結防止効果を示し、塩中での分解は確認されなかった。しかし、光により分解され常温でも遊離シアン化物イオンを生成することが確認され、環境への影響が懸念された。

No.  4
題目  光学式変位計を用いる塩製品粒径インライン測定の可能性について
筆者  吉川直人、眞壁優美
掲載頁  海水総合研究所研究報告第3号p23(2001)
要旨  光学式変位計を用いる塩製品粒径のインライン測定の可能性について4種類のレーザー変位センサを用いて検討した。その結果、拡散反射方式のレーザ変位センサで測定した塩層表面の平均変位差と平均粒径との間には良好な直線関係が見られ、粒径測定の可能性が示唆された。本法は赤外線水分計出力値の粒径依存性補正にも適用できると考えられる。

No.  5
題目  製塩環境への電気防食システム適用可能性の検討
筆者  雅楽川伸*、大久保和也**:現在、日本たばこ産業(株)
掲載頁  海水総合研究所研究報告第3号p28(2001)
要旨  電気防食システムの製塩プラントへの適用の可否、効果および実機適用上の問題点を調査するため、製塩工場の蒸発缶を用いて各種の金属材料について実施し、製塩コスト削減に有効な方法として適用可能なことが示唆された。

平成12年度

No.  1
題目  塩化ナトリウム過飽和溶液中の仮想核の成長速度への影響
筆者  長谷川正巳、豊倉賢* *:早稲田大学理工学部
掲載頁  海水総合研究所研究報告第2号p2(2000)
投稿先  日本海水学会誌、50(2)、p131(1996)
要旨  塩化ナトリウム飽和溶液をいったん昇温することによって、その中に懸濁していると仮想された結晶核を溶解した後、それを過冷却して仮想核数を実測するとともに、表面の平滑な種晶を静置したセルに供給し、仮想核の結晶成長速度への影響を検討した。
種晶の平均成長速度は過飽和度が高いほど、懸濁仮想核数が多いほど増加した。そのときの種晶の成長過程を観察すると、表面に荒れを生じる過程と粒径の増加に伴って荒れが修復される過程の二つに分けられ、懸濁仮想核数が多いほど、成長過程に占める後者の割合が増加し、その結果、平均成長速度が増加したものと考えた。

No.  2
題目  製塩工程の自動化技術(第3報)ニューラルネットワークによる粒径制御技術の検討
筆者  長谷川正巳、伊藤浩士、二宮直義、新藤敏晴*、石丸直之* *:日本たばこ産業(株)
掲載頁  海水総合研究所研究報告第2号p7(2000)
投稿先  日本海水学会誌、52(1)、p22(1998)
要旨  有効加熱面積3uの小型晶析装置を用いて、所望粒径の製品結晶を生産するための操作条件を見い出す方法としてニューラルネットワークモデルを検討した。製品結晶粒径は蒸発速度、結晶懸濁密度、缶内液組成、種晶粒径および添加速度によって良好に相関され、任意に設定した操作条件で推定した製品結晶粒径と実測値は10μmの範囲内で一致した。

No.  3
題目  製塩工程の自動化技術(第4報)ニューラルネットワークを用いた工業晶析装置における粒径制御
筆者  長谷川正巳、伊藤浩士、大久保和也、二宮直義
掲載頁  海水総合研究所研究報告第2号p13(2000)
投稿先  日本海水学会誌、52(1)、p28(1998)
要旨  400uの有効加熱面積を有する工業晶析装置に、3つに説明変数;熱源蒸気流量、結晶懸濁密度および循環ポンプ回転周波数;から構成したニューラルネットワークモデルを適用し、製品結晶粒径のコントロール手法を検討した。Leave-one-out Cross Validation法におけるニューラルネットモデルの最適学習回数は50,000回で、製品結晶粒径の平均推定誤差は約30μmであった。この結果よりニューラルネットワークモデルは、実用上充分な精度を有しており、工業晶析において所望粒径の製品結晶を生産する操作条件の設計に有効であると考え、実用的なモデルの構築プロセスを提案した。

No.  4
題目  赤外全反射減衰法による製塩工程溶液硫酸イオン濃度の測定方法
筆者  吉川 直人、佐藤 寿邦*、大矢 晴彦* *:横浜国立大学
掲載頁  海水総合研究所研究報告第2号p18(2000)
投稿先  分析化学、47(9)、p571(1998)
要旨  日本の製塩方法の一つである溶解再生製塩法では、工程溶液中の不純物は硫酸イオンが主体であり、硫酸イオン濃度の管理が必要である。更に、製塩工程の自動化、省力化、最適化を図るためには、工程溶液の硫酸イオン濃度をインラインで迅速に測定することのできる測定法の開発が必要である。筆者らは硫酸イオンに特有のSO縮重伸縮振動に着目し、この新藤バンドを用いた硫酸イオン濃度の測定法について、赤外全反射減衰(ATR)法により測定濃度領域、吸光度に対する塩分濃度と試料温度の影響についての検討を行い、工程溶液の測定を行った。その結果、本法は塩化ナトリウム飽和溶液を検量線作成用の標準溶液として用いることにより、屈折率及び試料温度の影響をほとんど受けずに高精度な硫酸イオン濃度の測定が可能であることを示した。本法は工程溶液の簡易測定及びインライン測定に充分対応できると考えられる。

No.  5
題目  赤外全反射減衰法による高濃度塩類混合水溶液の組成測定方法
筆者  吉川 直人、佐藤 寿邦*、大矢 晴彦* *:横浜国立大学
掲載頁  海水総合研究所研究報告第2号p22(2000)
投稿先  ANALYTICAL SCIENCES、14、p803(1998)
要旨  製塩工場の晶析装置の缶内液は、NaCl、MgCl2、KCl、CaCl2からなる高濃度塩類混合溶液であり、これらの濃度を測定することは重要である。本測定法は、赤外全反射減衰法により測定した水の吸収波数に関係する6波数の吸光度変化を利用して缶内液の各成分濃度を測定する方法であり、実験に基づいた結果として、各成分濃度を正確に測定でき、他の成分より赤外スペクトル変化が大きい塩化マグネシウム濃度については、化学分析に近い精度で測定できることがわかった。

No.  6
題目  市販塩の品質
筆者  新野 靖、西村 ひとみ、古賀 明洋、篠原 富男、伊藤 浩士
掲載頁  海水総合研究所研究報告第2号p27(2000)
投稿先  日本調理科学会誌、32(2)、p133(1999)
要旨  日本国内で市販されている家庭用調理用塩の品質を把握することを目的とし、国産塩と輸入食塩67点の主成分、微量成分及び物性値の調査を行い、以下の結果を得た。

  1. 国産の未乾燥塩は、海水を濃縮して製造した塩、天日塩を原料とした製品およびイオン交換膜製法塩を原料とした製品との間で、主成分、微量成分及び物性値にそれぞれの特徴が示された。
  2. 乾燥塩は、特徴としてpHが高く、難溶性の塩基性マグネシウム化合物が多く含まれている製品が見られた。
  3. 添加物塩は、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムが併用されている製品とグルタミン酸ナトリウムが添加されている製品が多かった。
  4. 輸入食塩の天日塩製品は、不溶解分が多く、鉄とアルミニウムが多く含まれていた。フランス製品からは有害元素であるヒ素、鉛、クロムが検出され、中国製品からはISO食用塩規格案の上限許容値を上回る銅が検出された。

本調査結果によって、市販塩の品質が明らかになり、消費者の商品選択に有効な資料となると考えるが、塩市場には今回調査対象とならなかった製品が数多くあるので、より多くの製品の品質を調査する必要がある。また、今回調査において有害元素が検出された製品もあったが、塩製品の安全性の観点から、近年注目されている有機系汚染物質や微生物の検査も必要となると考える。

No.  7
題目  せんごう塩の粒径、水分と粉粒体諸特性の検討
筆者  篠原 富男
掲載頁  海水総合研究所研究報告第2号p38(2000)
要旨

No.  8
題目  塩の分析における不確かさの推定
筆者  新野 靖
掲載頁  海水総合研究所研究報告第2号p46(2000)
要旨  当研究所は1999年3月にISO/IEC GUIDE25の認定を取得したが、取得するにあたり認定項目に対する不確かさの算出が必須となり、塩の分析における不確かさの算出を行った。その結果、Cl分析については、測容器具の公正および操作の熟練度が不確かさに大きく影響することが示された。重量分析である乾燥減量の測定については、天秤による重量測定の不確かさは極小であり、繰り返し測定時のσが不確かさとして適していることが示された。イオンクロマトグラフィーによるSO4分析とフレーム光度法によるK分析については、測定機器の出力値変動が不確かさの大部分を占めることが示された。

No.  9
題目  逆浸透法による海水濃縮シミュレーション(第1報)一段逆浸透法による海水濃縮シミュレーション
筆者  吉川 直人
掲載頁  海水総合研究所報告第2号、p55(2000)
要旨  一段逆浸透法による海水濃縮シミュレーションを行い、所要膜面積、所要エネルギーについて電気透析法と比較した。その結果、所要膜面積については逆浸透法のほうが電気透析法より小さく有利であった。一方、所要エネルギーについては電気透析法の方が逆浸透法と比較して有利であった。本シミュレーションは実際のプロセスとは異なる種々の問題点は残るが、膜の透過、分離性能から所要膜面積、所要エネルギーの定量的な把握を可能にした。

平成11年度

No.  1
題目  製塩工程の自動化技術(第1報)差圧法による結晶懸濁密度の検出
筆者  長谷川正巳、伊藤浩士、大久保和也、二宮直義
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p2(1999)
投稿先  日本海水学会誌、51(6)、p363(1997)
要旨  集積装置内の結晶懸濁密度を測定するために、高さ位置の異なる2つに圧力検出器の間の差圧を検出する方法を検討した。圧力検出器間距離4,000mmの円筒型装置に粒径範囲0.33〜0.74mmの結晶を懸濁させた場合、実測値と計算値は良好な相関関係にあった。また、圧力検出器取付け部に高温の水、あるいはかん水を供給することによって、スケーリングトラブルを防止できることがわかった。これらの知見を基に、有効加熱面積400uの工業装置に導入し、実用化の検討を行ったところ、循環系での密度測定法に比べ晶析装置内の平均的な結晶懸濁密度が検出できることが明らかとなった。

No.  2
題目  製塩工程の自動化技術(第2報)差圧法による缶内液組成管理方法の検討
筆者  長谷川正巳、伊藤浩士
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p8(1999)
投稿先  日本海水学会誌、51(6)、p369(1997)
要旨  缶内液のボーメ比重を測定する方法として、圧力検出器間の高さ方向距離2,000mmを有する円筒型差圧計、密度計および屈折率計の適用を検討した。差圧測定法による密度は密度計と同様にボーメ比重と良好な相関が見られたが、屈折率はばらつきが大きかった。これら缶内液の物性値は塩類濃度により相関され、それと電気透析プロセスで得られるかん水の塩類組成比を組み合わせることにより缶内液組成の推定方法を提出した。

No.  3
題目  製塩工場の海水濃縮工程における溶液組成測定システムの開発(第1報)測定システムの基礎的検討
筆者  吉川直人
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p13(1999)
投稿先  日本海水学会誌、52(3)、p162(1998)
要旨  日本の製塩工場は海水を電気透析層により濃縮したかん水を用いて製塩を行っている。かん水、海水・脱塩海水の組成を測定することは、電気透析層の運転管理を行うためには重要である。筆者は、海水濃縮工程において、海水、海水・脱塩海水の組成を測定する複合システムについて検討した。その結果、かん水の塩化物イオン濃度については密度計を、カルシウムとカリウムイオン濃度についてはイオン選択性電極と密度計を用いることにより測定可能であり、ナトリウムとマグネシウムイオン濃度については他のイオン濃度の測定値から推定可能であった。また、海水・脱塩海水の塩化物イオン濃度は、電気伝導度計を用いて測定可能であった。以上の結果より、これらのセンサーで構成される測定システムにより、かん水の組成及び海水・脱塩海水の塩化物イオン濃度の測定が可能となり、本システムは海水濃縮工程に適用可能であると考えられる。

No.  4
題目  製塩工場の海水濃縮工程における溶液組成測定システムの開発(第2報)測定システムの工程への導入
筆者  吉川直人、二宮直義、山田文彦*、太田保*、中本哲夫*、塚本孝臣* *:ダイヤソルト(株)
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p21(1999)
投稿先  日本海水学会誌、52(3)、p170(1998)
要旨  製塩工場の海水濃縮工程における組成測定は、電気透析層の運転管理上重要である。筆者らは、かん水の組成をイオン選択性電極と密度計で、海水・脱塩海水の塩化物イオン濃度を電気伝導度計により測定するインライン測定システムをダイヤソルト(株)の海水濃縮工程に導入した。その結果、かん水の組成、海水・脱塩海水の塩化物イオン濃度の測定値は実用上充分な精度を持ち、インラインの自動測定が可能であった。また、本システムを導入してから約2年経過したが、大きなトラブルはなく、長期にわたり安定的な自動測定を実検している。

No.  5
題目  赤外拡散反射法による塩製品の硫酸イオン含有量の簡易測定法
筆者  吉川直人、佐藤寿邦*、大矢晴彦* *:横浜国立大学工学部
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p28(1999)
投稿先  分析化学会誌、47(9)、p577(1998)
要旨  溶解再製製塩法で製造される高純度塩の不純物は、硫酸イオンが主体であるため、製品の硫酸イオン含有量の管理は重要である。従来より、製品の硫酸イオン含有量の管理はイオンクロマトグラフ法により行っているが、試料の前処理が必要であり、分析時間も長いため、簡便、迅速な簡易測定法の開発が求められている。そこで、本報告では、赤外拡散反射法による硫酸イオン含有量の簡易測定法について検討した。その結果、赤外拡散反射法により測定した硫酸イオン特有のSO縮重伸縮振動のピーク強度を、試料の充てん状態、、粒径及び粒径分布による光散乱度の影響に起因する1900〜2090cm-1のKubelka-Munk(K-M)値の変化量及び環境湿温度の影響を絶対湿度で補正することにより、測定誤差±10mgkg程度-1、繰り返し精度4.6%で、高純度塩の硫酸イオン含有量を非破壊で簡易測定できる方法を開発した。本法は、簡易測定に充分な測定精度を持ち、測定時間も1分程度と短時間であるため、製品管理、工程管理に充分対応できると考えられる。

No.  6
題目  塩化ナトリウムの固結機構の解明(第1報)環境条件と高純度塩の結晶表面変化の関係
筆者  党弘之、鍵和田賢一
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p34(1999)
投稿先  日本海水学会誌、53(3)、p185(1999)
要旨  電子線粗さ解析装置を用いて環境条件と塩化ナトリウム結晶表面変化の関係について試験を行い、次の結果を得た。

  1. 結晶表面は温度および相対湿度が高いほど大きく変化し、その影響は相対湿度のほうが大きかった。
  2. 結晶表面が変化を開始する相対湿度(Ψt)には温度依存性があり、温度が高いほど低い相対湿度から変化を開始した。
  3. 同一温度で相対湿度をサイクル変動させた場合の結晶表面変化は、サイクル変動の影響を受けなかった。
  4. 相対湿度がΨt以下の場合には結晶表面に吸着した水と空気中の水分子は結晶表面を変化させることはできず、Ψtをこえた場合に変化させることができた。結晶表面を変化させることのできる吸着水および湿度を活性水分と活性湿度と名付けた。
  5. 活性水分および活性湿度を用いて水と塩化ナトリウムの相互作用と高純度塩の固結の関係に関するモデルを作成した。
  6. 累積活性湿度と高純度塩の固結の関係について解析し、高い相関を見いだした。


No.  7
題目  有機酸存在下におけるフェナントロリン吸光光度法による食塩中の鉄の定量
筆者  古賀明洋、新野靖
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p43(1999)
要旨  有機酸が含まれている食塩中の鉄の定量分析をo-フェナントロリン吸光光度法で行う際、有機酸が妨害物質となって結果に誤差が生じることを確認した。これは有機酸と鉄との錯体形成によって、フェナントロリンと鉄との策体系性が完全に行われないことが原因であると判断した。そこで、試料を600℃で加熱処理し、有機酸を分解することによって、o-フェナントロリン吸光光度法による鉄の定量が可能となった。

No.  8
題目  塩の添加物分析 食塩中のグルタミン酸ナトリウムの定量
筆者  古賀明洋、新野靖
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p46(1999)
要旨 塩の添加物であるグルタミン酸ナトリウムの定量法として、HPLC法及び、銅塩法を検討した結果、両方法とも食塩中のグルタミン酸ナトリウム分析への適用が示された。しかし、銅塩法は有機酸によるプラス誤差が見られ、有機酸が添加されている食塩の分析には、HPLC法を用いなければならない。なお、銅塩法は測定が短時間ですむ利点もあり、試料中の添加物及び、試料点数に応じて操作方法を選択する必要がある。

No.  9
題目  融雪塩用防食剤の開発
筆者  党弘之、鍵和田賢一
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p51(1999)
要旨  道路用融雪塩として用いられる塩化ナトリウムに添加する動植物への影響が少なく、低温でも固結しない防食剤の開発を目的に試験を実施し、以下の結果を得た。
  1. 防食効果は、第二および第三リン酸塩とカルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩を併用することによって発現した。
  2. 低温固結は、防食効果を示す組成に更に過剰のカルシウムあるいはマグネシウム塩を添加することによって防止できる。
  3. 粉砕塩の製造ラインにおいて試験製造を行い、粉体供給によって均一な防食剤添加粉砕塩を製造できることを確認した。
  4. 防食剤の添加により塩化ナトリウムの腐食速度は約16%に低下し、水や尿素の腐食速度よりも小さくなった。


No.  10
題目  湿潤塩の粒度測定法の改善 微粒二酸化ケイ素を分散したアルコールによる前処理
筆者 篠原富男、鍵和田賢一
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p54(1999)
要旨  にがり等を含み湿潤した塩を微粒に酸化ケイ素を分散したアルコール液に浸漬処理し、にがり分の除去と表面のコーティングにより流動性を向上させ、粒度分布測定の操作性を改善した。本法と従来法(公定法)の各前処理による粒度測定の比較を行い、測定精度、操作時間の短縮およびアルコール使用量の削減等、本法の効果を確認した。

No.  11
題目  製塩工程における水分のインライン測定法の検討
筆者 古賀明洋、新野靖
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p59(1999)
要旨  製塩工程における水分管理として、インライン用マイクロ波水分計の性能調査を行った。塩への適用性を検討した結果、粒径の影響は見られず、検量線の直線性や繰り返し精度も良好であったが、品温や設置法によって測定値に差が見られた。そこで、現場に設置した状態で多くのデータを収集し、検量線や重回帰式を作成することによって、インラインにおける水分管理に適用できると考える。

No.  12
題目  ヨーロッパ塩業視察報告
筆者  長谷川正巳
掲載頁  海水総合研究所報告第1号、p65(1999)