製塩用次世代イオン交換膜の開発
研究業績

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題名
製塩用次世代イオン交換膜の開発
著者
永谷 剛
掲載先
日本海水学会誌、73、186-193 (2019)
概要

本研究では「塩製造技術高度化研究開発事業」において当研究所が実施した製塩用次世代イオン交換膜の開発の概要について述べるとともに、実用化に向けた取り組みについて紹介した。
電子線グラフト重合を適用してこれまでに製造されてきた製品はあまり多くなく、基材としてフィルムを用いた例はない。製塩用イオン交換膜の膜面積は1 ~ 2 m2と非常に大きい。1 工場あたりに必要な膜の年間生産量は8000枚程度と算出されるため、電子線グラフト重合法を用いた実用サイズの膜製造法の開発は不可欠である。
実用化を目的とした場合、更なるスケールアップが必要であり、引き続き製造方法に関する検討が必要である。また、市販化を目的とした場合、装置構造、使用薬品、作業性などの点で、安全性、コストなどを観点として加えていく必要がある。そのためには、今回報告した手法のマイナーチェンジは不可欠であり、引き続き検討を進める余地があるといえる。
筆者らは現在AGEC エンジニアリング株式会社と共同研究を実施しており、本研究成果の実用化まであと一歩のところまできている。本研究は次代の製塩用イオン交換膜製造法として適切であり、近い将来本手法により得られた膜に転換されていくことを確信している。

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