加熱された食用塩中における塩化マグネシウム水和物の化学変化に関する検討
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題名
加熱された食用塩中における塩化マグネシウム水和物の化学変化に関する検討
著者
峯尾 隼人、正岡 功士
掲載先
粉体工学会誌、54、596-603 (2017)
概要

食用塩および塩化マグネシウム水和物を加熱した場合における化学変化について、TG-MSを用いて検討した結果を報告した。塩を加熱した場合、主に水および塩化水素が発生した。これらの発生ガスは、おおむね塩化マグネシウム水和物の分解に起因すると考えられた。そこで、塩化マグネシウム水和物を加熱した場合の化学変化について詳細に検討した。その結果、塩化マグネシウム水和物を加熱した場合の反応フローは島田らが報告したフローとおおむね一致することが確認された。ただし、反応速度、試料内の伝熱速度が昇温速度と比較して低く、加熱後のマグネシウム塩の組成は試料量、昇温速度などにより変化した。また、気相中に水が存在する場合は塩基性塩化マグネシウム、酸化マグネシウムの生成反応が促進され、さらに500℃付近において島田が報告していない無水塩化マグネシウムが酸化マグネシウムに変化する反応が進行すると考えられた。これらのことから、製塩工場の乾燥・焼成工程におけるマグネシウム塩の組成および塩化水素の発生量は乾燥温度だけでなく、気・固相の滞留時間、気-固体積比、気相中の水蒸気量などにより変化すると考えられた。

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