塩の味力
岐阜(飛騨高山)・漬物ステーキ

岐阜県飛騨地方の冬は雪深く、厳しい寒さが続きます。山間に暮らす人々は春から秋にかけて育てた野菜を漬物という形で保存し、寒い冬を乗り切ってきました。漬物には当然、塩が重要です。街中を流れる宮川沿いに毎日開かれる朝市では、飛騨地方の代表的な漬物である赤かぶ漬や食べやすく刻んだ白菜や赤かぶを漬け込んだ“きり漬”が素朴な特産品とともに売られています。
寒い冬の朝、朝食を用意するお母さんは、漬物を取り出すためのボールとともにかなづちを手にします。外に置かれた漬け樽には上がった水が厚く凍っていました。
かなづちで氷を砕き、漬物石の下から取り出した漬物は氷のように冷たく冷えています。水気を絞り、そのまま食卓に上る“きり漬”には砕いた氷が混じることがありました。
あまりに冷たい漬物を少しでもおいしく食べようと油で軽く炒めたものが今、飛騨地方の名物となりつつある“漬物ステーキ”と言われています。もうひとつの由来では、春になって少し酸味の出た“きり漬”の古漬けをむだなく、おいしく食べるために炒めて食べたのが始まり、とも言われています。
山間に暮らす人々が野菜の少ない厳しい冬に、塩を使った漬物を各家庭で工夫して食べていたものが、今では飛騨の名物となり、その素朴な味が観光客に喜ばれています。
鉄板やフライパンなどに軽く油をひき、150gほどの“きり漬”の水分を切って軽く炒める。
しょうゆなどで味を調えたら、真ん中に寄せ、周りにといた卵をまわしかける。
家庭によってはきざみ海苔、かつお節、紅しょうがなどを添え完成。
ごま油やバターで炒めてもおいしい。
お土産ようとしてキムチ味やカレー味なども市販されている。
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郷土料理 京や 今回取材にご協力いただいた「京や」の西村直樹さん。 「京や」では炒める前に“きり漬”をたまり醤油で和えてから炒め、最後に卵を回しかけ、切りのりを添える。1人前550円。 京や 岐阜県高山道市大新町1-77 TEL:0577-34-7660 http://www.kyoya-hida.jp/ |
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白菜と赤かぶを使った“きり漬”の取材に応じてくれた飛騨漬物食品 株式会社の近藤利幸さんと従業員の皆さん。人気商品の“きり漬”は180g 230円前後。今冬から漬物ステーキ用の新商品(180g 260円前後)も発売予定。
飛騨漬物食品株式会社 下呂市少ヶ野945-1 TEL:0576-25-2593 http://www.hidatsuke-honpo.com/ |
NHKきょうの料理テキスト 2006年12月号PRページより

