塩の味力

塩の味力

塩の基本は“塩”

海に囲まれ、緑豊かな日本は和食という食文化を生み、世界でもまれな長寿国を作り上げました。その中で、味噌、醤油といった調味料は和食を支える味の基本とされています。しかしそれらの調味料の“味”という部分を考えると、“塩”がなくてはならないのです。全国を旅して出会えるさまざまな郷土料理をあらためて見直してみると、塩とのかかわりの深さにおどろかされます。

塩が生み出すもの

塩は食材や素材と交じり合うことで“味”を作り出します。大豆と交じり合い、麹の力を借りて発酵し、さらに新しい味へと変化させたものが味噌や醤油ですが、塩がなければ“味”が生まれませんし、塩の防腐作用や発酵作用もこうした醸造のなかで大きな役割をはたしています。
また人が生きていくうえで塩の主成分であるナトリウムが欠かせません。塩分に限らず取りすぎは体によくありませんが、適量を摂取していくことは人生で最も大きな楽しみである「食べる」という行いを継続させる原動力にもなります。ですから人々は工夫して調理することを覚え、味を探求してきたのではないでしょうか。

味の決め手は塩

食材は季節によっても味やうまみを変えます。先人はそれを旬という言葉で残してくれました。素材の持つ成分に塩が加わることで生まれる味こそが料理の味を決定するのです。素材の味を純粋に引き出すために、塩は大きな役割を果たします。
塩は調理だけにとどまらず、食品の保存という面でも大きな役割を果たしています。漬物や干物、塩蔵など多くの食材を加工、保存するために塩は欠かせません。こうした処理を施された食材は今なお人々の食卓を飾る一品として楽しまれています。
こうした見方をしていくと塩の力をあらためて見直さざるをえません。塩資源の乏しい日本では、海水からいかに塩を効率よく作るか大変な努力を重ねてきました。そうした貴重な塩をうまく使った料理を訪ねながら、その“味力(みりょく)”を探っていきましょう。

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