研究所紹介

所長挨拶・研究所沿革

日本には岩塩、湖塩といった天然の塩資源がなく、また高湿多雨なため海水を天日蒸発させて塩(天日塩)をつくることができません。そのため、先人たちはさまざまな工夫と技術革新を積み重ねて、我が国固有の「塩づくり」を築いてまいりました。それは、いかに合理的に海水を濃い塩水とし、それを結晶化させるかということであり、その中において、海水総合研究所が果たしてきた役割は大きく、現在、日本で生産される塩の80%以上は、当研究所で研究開発を行った「イオン交換膜製塩法」によるものです。
海水総合研究所は、下表に示しましたように、1949年に発足した日本専売公社 小田原製塩試験場以来、塩専売法の下、我が国固有の「塩づくり」を築き、さらにその基盤を強化するために行ってきた様々な研究を引き継ぐ形で、1996年7月に発足いたしました。1997年に塩専売制度が廃止され、新たに塩事業法が施行されたことを契機に、当研究所は、「我が国塩産業の健全な発展」を使命とし、「塩づくり」に関する研究だけでなく、広く消費者の皆様に塩に関する「科学的な情報」をご提供するための研究にも取り組んでおります。
主な研究テーマは、次世代を視野に入れた新たな「塩づくり」を目指す「製塩技術に関する研究」、調理や食品加工において使いやすく、おいしさや見栄えを引き立てる塩の開発を目指す「商品技術に関する研究」、塩の食品としての安全性をより確実にするための分析技術の開発や、開発した分析技術を活用して国内に流通する食用塩の品質を調査し、消費者の皆様にその情報をご提供することを目指す「塩の品質及び分析技術に関する研究」であり、その他、ISO/IEC17025に適合した分析システムを構築することにより「塩の品質検査の受託業務」にも携わっております。これら研究開発の成果は、学会などでも発表しているほか、最近では「研究所公開」や「公開講演会」を開催し、消費者の皆様にも塩に関する科学的な情報をご提供しております。
こうした研究や活動をとおして、日本の「塩づくり」を支えるとともに、低廉で安全性に配慮し、用途に応じた使いやすい塩とは何かを探求することにより、消費者の皆様に「塩」や「塩づくり」に関する客観的で、かつ科学的な情報をご提供してまいりたいと考えております。


海水総合研究所所長 工学博士 長谷川正巳

海水総合研究所の沿革


1949.4(昭和24.4) 大蔵省専売局 防府製塩試験場小田原分場として設置
1949.6(昭和24.6) 日本専売公社設立 小田原製塩試験場として発足
1962.3(昭和47.3) 防府製塩試験場廃止
1985.4(昭和60.4) 日本たばこ産業(株)設立 小田原試験場へ名称変更
1988.4(昭和63.4) 日本たばこ産業(株)海水総合研究所に改組
1996.5(平成8.5) 塩事業法公布 塩事業法一部施行
1996.7(平成8.7) (財)塩事業センター設立 海水総合研究所として発足
1997.4(平成9.4) 塩専売法廃止、塩事業法施行