投稿論文

平成19年度投稿論文

題目 研究者 発表先
1 純水浸透によるすきま腐食の防止 中村 彰夫、
井上 博之*
*:大阪府立大
日本海水学会誌 61(3)、p165(2007)
2 製塩環境中のステンレス鋼の孔食電位に対する塩化物イオン濃度ならびにpH,液温の影響 中村 彰夫、
井上 博之*
*:大阪府立大
日本海水学会誌 61(3)、p169(2007)
3 海水環境構造物腐食防食研究会報告 中村 彰夫 日本海水学会誌 61(3)、p175(2007)
4 ジルコニウム担持陽イオン交換樹脂濃縮/イオンクロマトグラフ法による塩化ナトリウム試薬中の硫酸イオンの分析 新野 靖 日本海水学会誌 61(5)、p272(2007)
5 日本の塩づくりを支え、未来を築くために 長谷川 正巳 そるえんす No.74、p18(2007)
6 塩とともに豊かな食生活を育むために 眞壁 優美 食品工業 51(5)、p36(2008)

投稿論文概要

No.1
題目 純水浸透によるすきま腐食の防止
投稿者 中村 彰夫、井上 博之*   *:大阪府立大
投稿先 日本海水学会誌 61(3)、p165(2007)
概要
すきま腐食は、すきま内の溶液の塩化物あるいは水素イオンの濃度が、それ以上であれば不働態金属が脱不働態化される臨界レベルを上回った際に発生する。したがって、純水をすきま内に浸透性のガスケットを通して浸透させれば、それらの濃度は臨界レベル以下に保たれるかもしれない。本研究では、この純水浸透法の、製塩工場のフランジのすきま腐食防止への適用性について検討した。10mmの有効すきま長さをもつ316鋼試験片のすきま腐食感受性を、腐食すきま再不働態化電位(ER,CREV)から評価した。浸透性ガスケットとしてろ紙円盤をすきまに挿入した。試験液には70℃の模擬濃縮かん水を用いた。純水を浸透させた時のER,CREVは、浸透しないで測定されたものと比較し80mV貴であった。ER,CREVが貴側へ80mV移行することは、理論的には、溶液のpHを1.2増加することと等価である。この結果は、純水浸透を適用することにより、すきま腐食が効果的に抑制されることを示唆している。
No.2
題目 製塩環境中のステンレス鋼の孔食電位に対する塩化物イオン濃度ならびにpH,液温の影響
投稿者 中村 彰夫、井上 博之*   *:大阪府立大
投稿先 日本海水学会誌 61(3)、p169(2007)
概要
SUS316鋼の孔食電位を、製塩の典型的かん水、濃縮かん水および母液を模擬した溶液中で測定した。種々の条件下で測定された孔食電位を比較することにより、このステンレス鋼の孔食に対する感受性に溶液の塩化物イオン濃度、pHや温度がどのように影響するか評価した。pH領域が中性近傍の場合、孔食電位は溶液のpHに殆ど依存しない。しかし、高pH域では、環境の組み合わせによって決まるある臨界水準を越えると、孔食電位はpHとともに顕著に貴化した。電位走査法で測定された孔食電位VC100と各環境因子の強度とは、本実験で用いた溶液組成の範囲内では、以下の関係を示した。
  VC100= -0.218log(Cl-) + 535/T +0.0224pH-1.48
Cl-T およびpH は、それぞれ、溶液の塩化物イオンの重量モル濃度、温度(K)およびpHを示す。
No.3
題目 海水環境構造物腐食防食研究会
投稿者 中村 彰夫
投稿先 日本海水学会誌 61(3)、p175(2007)
概要
2006年度に開催された2回の日本海水学会海水環境構造物腐食防食研究会の内容に関する報告
No.4
題目 ジルコニウム担持陽イオン交換樹脂濃縮/イオンクロマトグラフ法による塩化ナトリウム試薬中の硫酸イオンの分析
投稿者 新野 靖
投稿先 日本海水学会誌 61(5)、p272(2007)
概要
塩化ナトリウム試薬中の微量硫酸イオンを、ジルコニウムを担持した弱陽イオン交換樹脂カートリッジを用いて吸着分離した後、イオンクロマトグラフ法で測定する方法を検討した。硫酸イオンはpH2~4でほぼ100%吸着し、0.05mol/L水酸化ナトリウムを5mL以上通液することにより脱着した。硫酸イオンは塩化ナトリウム20%溶液中でも選択的に吸着された。塩中の硫酸イオンの定量下限は、10%溶液50mL処理で0.02mg/kgであった。本法により、市販の標準試薬、特級試薬、一級試薬および局方の塩化ナトリウム試薬中の硫酸イオンの定量が可能となった。
No.5
題目 日本の塩づくりを支え、未来を築くために
投稿者 長谷川 正巳
投稿先 そるえんす No.74、p18(2007)
概要
海水研の塩に関する研究の現状を、個々のテーマに沿って紹介した。
No.6
題目 塩とともに豊かな食生活を育むために
投稿者 眞壁 優美
投稿先 食品工業 51(5)、p36(2008)
概要
わが国では、素材を中心に色あい、形、季節感を巧みに表現することで、おいしさや見た目の美しさを引き出す日本料理が受け継がれてきた。特に素材の風味を上手に引き出すためには、塩の選び方や使い方が大切だといわれている。その一方、私たちの周りでは、さまざまな塩が販売されており、これらの品質も粒径、形状、にがり成分や水分の量が異なるなど多種多様である。それでは、塩を選ぶ場合や使う場合、どのような点に注意したらよいのか?
例えば、魚の塩焼き作るときは、魚の表面にまんべんなく振り出せる塩、魚に付着しやすい塩がよいし、漬物を作るときは、美味しく漬け上がる塩がよいだろう。このように調理や食品加工では、塩の形状や粒径などに起因する物性(流動性、付着性など)や塩水溶液の浸透圧による脱水作用などの性質が重要となってくる。ここでは、市販されている塩の種類や主な特性について紹介するとともに、塩の物性や作用がどのように調理や食品加工に用いられているかについて解説した。