投稿論文

平成15年度投稿論文

題目 研究者 発表先
1 蛍光X線分析装置を用いる塩製品中の微量元素の簡易分析の可能性 眞壁 優美、
吉川 直人
日本海水学会誌 58(1)、p80(2004)
2 イミノ二酢酸キレートディスク予備濃縮/プラズマ発光分光分析法による塩中の微量金属の定量 新野 靖、
古賀 明洋
日本海水学会誌 58(1)、p85(2004)
3 製塩における晶析技術の研究と開発動向 長谷川 正巳 日本海水学会誌 57(4)、p256(2003)
4 Crystallization Technology in Salt Manufacture 長谷川 正巳 第7回中国井鉱塩工業セミナー(中国自貢市軽工業設計研究院主催)(2003)
5 塩中のヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸塩の分析 古賀 明洋、
新野 靖
日本海水学会誌 58(1)、p24(2004)
6 市販食塩の品質(Ⅱ) 新野 靖、
西村 ひとみ、
古賀 明洋、
中山 由佳、
芳賀 麻衣子
日本調理学会誌 36(3)、p305(2003)

投稿論文概要

No.1
題目 蛍光X線分析装置を用いる塩製品中の微量元素の簡易分析の可能性
投稿者 眞壁 優美、吉川 直人
投稿先 日本海水学会誌 58(1)、p80(2004)
概要
波長分散型およびエネルギー分散型蛍光X線分析装置を用いて、塩製品中の主要成分(Mg2+,SO42-,K+,Ca2+,Br-)の簡易定量の可能性および定量精度について検討した。試料調整法についてはMg2+は、Mg(OH)2沈殿を用いた沈殿法、SO42-は、BaSO4沈殿を用いた沈殿法、K+,Ca2+,Br-は、点滴濾紙法および液体法を用いた。その結果、液体法を用いた場合と比較し点滴濾紙法を用いた場合の方が、測定精度は良好で、低い成分含有量まで定量可能であることが示唆された。沈殿法では、測定精度が試料調整操作に依存することが分かった。また、Mg2+,SO42-については沈殿法、K+,Ca2+,Br-については点滴濾紙法を用いた場合の 結果を基に、塩製品への適用の可能性を判断した。エネルギー分散型を用いた場合と比較し、波長分散型を用いた場合の方が、低い成分含有量まで定量可能であり、高純度塩ではSO42-、乾燥塩ではMg2+,SO42-およびBr-、湿塩では全ての対象成分について定量可能であることが示唆された。
No.2
題目 イミノ二酢酸キレートディスク予備濃縮/プラズマ発光分光分析法による塩中の微量金属の定量
投稿者 新野 靖、古賀 明洋
投稿先 日本海水学会誌 58(1)、p85(2004)
概要
塩中の微量金属元素(Al,Cd,Co,Cu,Fe,Mn,Mo,Ni,Pb,Ti, V,Znの12元素)をイミノ二酢酸キレートディスクで濃縮し、硝酸で溶離して ICP-AES法で定量する条件を検討し、得られた条件で市販食用塩中の微量金属元素を定量した。その結果、12元素を水溶液中から同時回収できる処理条件はpH4.5であったが、この条件下では塩中のマトリックス成分(NaCl,Ca,Mg)の影響を受け、回収率が低下する元素(Cd,Mn,Pb)があった。これらの元素はpH8.8で処理することによりマトリックス成分の影響を受けずに濃縮が可能であった。本法の定量下限は、塩試料50gを処理した場合、感度が低いAl,Pbを除いて5μg/kgであり、また、2μg添加試料を繰返し処理した時の変動係数は5%以下と良好であった。本試験で得られた測定条件を用いて市販食用塩中の微量金属元素を測定した結果、多くの元素の定量が可能となり、異なるpH(4.5,8.8)で定量した元素(Cu,Ni,Fe,Ti,Zn)の定量値はよく一致し、また、高濃度の元素は、ICP-AESによる直接分析結果とよく一致した。
No.3
題目 製塩における晶析技術の研究と開発動向
投稿者 長谷川 正巳
投稿先 日本海水学会誌 57(4)、p256(2003)
概要
製塩における晶析技術の研究、開発動向に関して、当研究所で実施してきたこれまでの晶析研究を紹介した。また、今後の研究の展開として、粒径動的制御、不純物によるNaCl結晶成長への影響についても、研究の方向性を示した。
No.4
題目 Crystallization Technology in Salt Manufacture
投稿者 長谷川 正巳
投稿先 第7回中国井鉱塩工業セミナー(中国自貢市軽工業設計研究院主催)(2003)
概要
食塩の結晶化における微結晶の性質およびその付着挙動を定量的に明らかにすると共に、不純物による凝集抑制機構を検討した。また、晶析操作因子と製品結晶粒径との関係づける方法として、晶析装置設計理論による製塩企業データの解析、ニューラルネットワークによる晶析装置操作の設計方法への適用を検討した。
No.5
題目 塩中のヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸塩の分析
投稿者 古賀 明洋、新野 靖
投稿先 日本海水学会誌 58(1)、p24(2004)
概要
食用塩中に低含有量で含まれるヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸イオン(フェロシアン化物イオン)の分析精度を向上させることを目的に、硫酸鉄(Ⅱ)溶液を加えて生成したプルシアンブルーをメンブレンフィルター(ポアサイズ0.45μm,φ25mm)でろ過・分離を行い、蛍光X線によりFe強度を測定する方法及びフィルターごと溶解して吸光度を測定する方法の適用性を検討した。
 その結果、塩化ナトリウム存在下では水溶性プルシアンブルーが生成し、ろ過フィルターの水洗浄時にプルシアンブルーが溶出して回収率が低下する現象が生じた。しかし、硫酸鉄(Ⅱ)溶液に塩化鉄(Ⅲ)溶液を加えて反応させることにより、水溶性プルシアンブルーを生成させずに濃縮分離を行い、上記の二方法で測定することが可能となった。蛍光X線法、吸光光度法によりそれぞれの検量線を作成した結果、共に塩化ナトリウム濃度の影響はなく、R2が0.99以上と良好な直線関係が得られ、本法を用いることにより、従来法で1mg/kgであった測定下限を0.1mg/kgまで下げることができた。
No.6
題目 市販食塩の品質(Ⅱ)
投稿者 新野 靖、西村 ひとみ、古賀 明洋、中山 由佳、芳賀 麻衣子
投稿先 日本調理学会誌 36(3)、p305(2003)
概要
市販食用塩の主成分、微量成分、添加物および生菌の調査を行い、以下の結果を得た。
1)
国産製品は、輸入製品に比べてにがりを多く含んだ製品が多く、不溶解分が少ない傾向が見られた。輸入された天日塩製品の中には不溶解分および重金属が多いものが見られた。
2)
ヒ素が0.5mg/kg(CODEX 食用塩規格(案)上限値)以上検出された製品が3点見られた他、銅,クロム,ニッケル,亜鉛が高濃度に検出された製品も見られた。
3)
生菌検査では、測定試料全てが陰性であった。
4)
フェロシアン化物が検出された製品は4点あった。