研究報告
平成11年度研究報告
海水総合研究所 研究報告 第1号(1999)
| № | 題目 | 研究者 | 掲載頁 |
|---|---|---|---|
| 1 | 製塩工程の自動化技術(第1報)差圧法による結晶懸濁密度の検出 | 長谷川 正巳、 伊藤 浩士、 大久保 和也、 二宮 直義 |
P2 |
| 2 | 製塩工程の自動化技術(第2報)差圧法による缶内液組成管理方法の検討 | 長谷川 正巳、 伊藤 浩士 |
P8 |
| 3 | 製塩工場の海水濃縮工程における溶液組成測定システムの開発(第1報) 測定システムの基礎的検討 |
吉川 直人 | P13 |
| 4 | 製塩工場の海水濃縮工程における溶液組成測定システムの開発(第2報) 測定システムの工程への導入 |
吉川 直人、 二宮 直義、 山田 文彦*、 太田 保*、 中本 哲夫*、 塚本 孝臣* *:ダイヤソルト(株) |
P21 |
| 5 | 赤外拡散反射法による塩製品の硫酸イオン含有量の簡易測定法 | 吉川 直人、 佐藤 寿邦*、 大矢 晴彦* *:横浜国立大学 |
P28 |
| 6 | 塩化ナトリウムの固結機構の解明(第1報)環境条件と高純度塩の結晶表面変化の関係 | 党 弘之、 鍵和田 賢一 |
P34 |
| 7 | 有機酸存在下におけるフェナントロリン吸光光度法による食塩中の鉄の定量 | 古賀 明洋、 新野 靖 |
P43 |
| 8 | 塩の添加物分析 食塩中のグルタミン酸ナトリウムの定量 | 古賀 明洋、 新野 靖 |
P46 |
| 9 | 融雪塩用防食剤の開発 | 党 弘之、 鍵和田 賢一 |
P51 |
| 10 | 湿潤塩の粒度測定法の改善 微粒二酸化ケイ素を分散したアルコールによる前処理 | 篠原 富男、 鍵和田 賢一 |
P54 |
| 11 | 製塩工程における水分のインライン測定法の検討 | 古賀 明洋、 新野 靖 |
P59 |
| 12 | ヨーロッパ塩業視察報告 | 長谷川 正巳 | P65 |
研究報告要旨
| No.1 | |
| 題目 | 製塩工程の自動化技術(第1報)差圧法による結晶懸濁密度の検出 |
| 筆者 | 長谷川 正巳、伊藤 浩士、大久保 和也、二宮 直義 |
| 掲載頁 | P2 |
| 要旨 | 集積装置内の結晶懸濁密度を測定するために、高さ位置の異なる2つに圧力検出器の間の差圧を検出する方法を検討した。圧力検出器間距離4,000mmの円筒型装置に粒径範囲0.33~0.74mmの結晶を懸濁させた場合、実測値と計算値は良好な相関関係にあった。また、圧力検出器取付け部に高温の水、あるいはかん水を供給することによって、スケーリングトラブルを防止できることがわかった。これらの知見を基に、有効加熱面積400m2の工業装置に導入し、実用化の検討を行ったところ、循環系での密度測定法に比べ晶析装置内の平均的な結晶懸濁密度が検出できることが明らかとなった。 |
| No.2 | |
| 題目 | 製塩工程の自動化技術(第2報)差圧法による缶内液組成管理方法の検討 |
| 筆者 | 長谷川 正巳、伊藤 浩士 |
| 掲載頁 | P8 |
| 投稿先 | 日本海水学会誌 51(6)、p369(1997) |
| 要旨 | 缶内液のボーメ比重を測定する方法として、圧力検出器間の高さ方向距離2,000mmを有する円筒型差圧計、密度計および屈折率計の適用を検討した。差圧測定法による密度は密度計と同様にボーメ比重と良好な相関が見られたが、屈折率はばらつきが大きかった。これら缶内液の物性値は塩類濃度により相関され、それと電気透析プロセスで得られるかん水の塩類組成比を組み合わせることにより缶内液組成の推定方法を提出した。 |
| No.3 | |
| 題目 | 製塩工場の海水濃縮工程における溶液組成測定システムの開発(第1報)測定システムの基礎的検討 |
| 筆者 | 吉川 直人 |
| 掲載頁 | P13 |
| 投稿先 | 日本海水学会誌 52(3)、p162(1998) |
| 要旨 | 日本の製塩工場は海水を電気透析層により濃縮したかん水を用いて製塩を行っている。かん水、海水・脱塩海水の組成を測定することは、電気透析層の運転管理を行うためには重要である。筆者は、海水濃縮工程において、海水、海水・脱塩海水の組成を測定する複合システムについて検討した。その結果、かん水の塩化物イオン濃度については密度計を、カルシウムとカリウムイオン濃度についてはイオン選択性電極と密度計を用いることにより測定可能であり、ナトリウムとマグネシウムイオン濃度については他のイオン濃度の測定値から推定可能であった。また、海水・脱塩海水の塩化物イオン濃度は、電気伝導度計を用いて測定可能であった。以上の結果より、これらのセンサーで構成される測定システムにより、かん水の組成及び海水・脱塩海水の塩化物イオン濃度の測定が可能となり、本システムは海水濃縮工程に適用可能であると考えられる。 |
| No.4 | |
| 題目 | 製塩工場の海水濃縮工程における溶液組成測定システムの開発(第2報)測定システムの工程への導入 |
| 筆者 | 吉川 直人、二宮 直義、山田 文彦*、太田 保*、中本 哲夫*、塚本 孝臣* *:ダイヤソルト(株) |
| 掲載頁 | P21 |
| 投稿先 | 日本海水学会誌 52(3)、p170(1998) |
| 要旨 | 製塩工場の海水濃縮工程における組成測定は、電気透析層の運転管理上重要である。筆者らは、かん水の組成をイオン選択性電極と密度計で、海水・脱塩海水の塩化物イオン濃度を電気伝導度計により測定するインライン測定システムをダイヤソルト(株)の海水濃縮工程に導入した。その結果、かん水の組成、海水・脱塩海水の塩化物イオン濃度の測定値は実用上充分な精度を持ち、インラインの自動測定が可能であった。また、本システムを導入してから約2年経過したが、大きなトラブルはなく、長期にわたり安定的な自動測定を実検している。 |
| No.5 | |
| 題目 | 赤外拡散反射法による塩製品の硫酸イオン含有量の簡易測定法 |
| 筆者 | 吉川 直人、佐藤 寿邦*、大矢 晴彦* *:横浜国立大学工学部 |
| 掲載頁 | P28 |
| 投稿先 | 分析化学会誌 47(9)、p577(1998) |
| 要旨 | 溶解再製製塩法で製造される高純度塩の不純物は、硫酸イオンが主体であるため、製品の硫酸イオン含有量の管理は重要である。従来より、製品の硫酸イオン含有量の管理はイオンクロマトグラフ法により行っているが、試料の前処理が必要であり、分析時間も長いため、簡便、迅速な簡易測定法の開発が求められている。そこで、本報告では、赤外拡散反射法による硫酸イオン含有量の簡易測定法について検討した。その結果、赤外拡散反射法により測定した硫酸イオン特有のSO縮重伸縮振動のピーク強度を、試料の充てん状態、粒径及び粒径分布による光散乱度の影響に起因する1900~2090cm-1のKubelka-Munk(K-M)値の変化量及び環境湿温度の影響を絶対湿度で補正することにより、測定誤差±10mgkg程度-1、繰り返し精度4.6%で、高純度塩の硫酸イオン含有量を非破壊で簡易測定できる方法を開発した。本法は、簡易測定に充分な測定精度を持ち、測定時間も1分程度と短時間であるため、製品管理、工程管理に充分対応できると考えられる。 |
| No.6 | |
| 題目 | 塩化ナトリウムの固結機構の解明(第1報)環境条件と高純度塩の結晶表面変化の関係 |
| 筆者 | 党 弘之、鍵和田 賢一 |
| 掲載頁 | P34 |
| 投稿先 | 日本海水学会誌 53(3)、p185(1999) |
| 要旨 | 電子線粗さ解析装置を用いて環境条件と塩化ナトリウム結晶表面変化の関係について試験を行い、次の結果を得た。
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| No.7 | |
| 題目 | 有機酸存在下におけるフェナントロリン吸光光度法による食塩中の鉄の定量 |
| 筆者 | 古賀 明洋、新野 靖 |
| 掲載頁 | P43 |
| 要旨 | 有機酸が含まれている食塩中の鉄の定量分析をo-フェナントロリン吸光光度法で行う際、有機酸が妨害物質となって結果に誤差が生じることを確認した。これは有機酸と鉄との錯体形成によって、フェナントロリンと鉄との策体系性が完全に行われないことが原因であると判断した。そこで、試料を600℃で加熱処理し、有機酸を分解することによって、o-フェナントロリン吸光光度法による鉄の定量が可能となった。 |
| No.8 | |
| 題目 | 塩の添加物分析 食塩中のグルタミン酸ナトリウムの定量 |
| 筆者 | 古賀 明洋、新野 靖 |
| 掲載頁 | P46 |
| 要旨 | 塩の添加物であるグルタミン酸ナトリウムの定量法として、HPLC法及び、銅塩法を検討した結果、両方法とも食塩中のグルタミン酸ナトリウム分析への適用が示された。しかし、銅塩法は有機酸によるプラス誤差が見られ、有機酸が添加されている食塩の分析には、HPLC法を用いなければならない。なお、銅塩法は測定が短時間ですむ利点もあり、試料中の添加物及び、試料点数に応じて操作方法を選択する必要がある。 |
| No.9 | |
| 題目 | 融雪塩用防食剤の開発 |
| 筆者 | 党 弘之、鍵和田 賢一 |
| 掲載頁 | P51 |
| 要旨 | 道路用融雪塩として用いられる塩化ナトリウムに添加する動植物への影響が少なく、低温でも固結しない防食剤の開発を目的に試験を実施し、以下の結果を得た。
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| No.10 | |
| 題目 | 湿潤塩の粒度測定法の改善 微粒二酸化ケイ素を分散したアルコールによる前処理 |
| 筆者 | 篠原 富男、鍵和田 賢一 |
| 掲載頁 | P54 |
| 要旨 | にがり等を含み湿潤した塩を微粒に酸化ケイ素を分散したアルコール液に浸漬処理し、にがり分の除去と表面のコーティングにより流動性を向上させ、粒度分布測定の操作性を改善した。本法と従来法(公定法)の各前処理による粒度測定の比較を行い、測定精度、操作時間の短縮およびアルコール使用量の削減等、本法の効果を確認した。 |
| No.11 | |
| 題目 | 製塩工程における水分のインライン測定法の検討 |
| 筆者 | 古賀 明洋、新野 靖 |
| 掲載頁 | P59 |
| 要旨 | 製塩工程における水分管理として、インライン用マイクロ波水分計の性能調査を行った。塩への適用性を検討した結果、粒径の影響は見られず、検量線の直線性や繰り返し精度も良好であったが、品温や設置法によって測定値に差が見られた。そこで、現場に設置した状態で多くのデータを収集し、検量線や重回帰式を作成することによって、インラインにおける水分管理に適用できると考える。 |
| No.12 | |
| 題目 | ヨーロッパ塩業視察報告 |
| 筆者 | 長谷川 正巳 |
| 掲載頁 | P65 |

