塩風土記

十輪寺

京都の南西にある小塩山にひっそりと佇む、昔話に出てきそうな趣のあるお寺である。平安時代の六歌仙の一人である在原業平が晩年をここで過ごしたことから、通称「なりひら寺」としても知られる。

こぢんまりとした門をくぐると受付がある。拝観料を払い、そこから小さな門を抜けると左手に本堂がある。
境内の裏山には、中ほどに業平の墓といわれる宝篋印塔(ほうきょういんとう)がある。さらに登ると直径5~6m、深さ1.5mほどの窪地があり、その中心に業平が塩を焼いていたといわれる塩竈の跡がある。
業平は、恋い慕う藤原高子(二条后)が大原野神社に参詣する折に、この塩竈で塩を焼いてその煙で思いを伝えたという。遠く難波(大阪)から海水を運ばせて行ったという塩焼きは、もちろん生活のためではなく、ただ風流を楽しむためのものであり、境内には、取り寄せた海水をためておいたという塩汲池も残されている。
謡曲「小塩」などでも知られる現地の地名「小塩」は、この故事に由来しているそうである。

他にも、三方普感の庭、文化財指定の鐘楼や珍しい鳳輦型(ほうれんがた)の屋根をもつ本堂などの見どころがあり、本堂向かって左手には昔の家具などが展示されている。
希望者は有料でお抹茶を頂けるので、王朝絵巻を描いた襖絵や庭を眺めつつ、ゆったりと業平の時代に思いを馳せてみるのも良いかもしれない。


siogamaato.JPG塩竃の跡


ju-rinji.JPG

■案 内■

社  名十輪寺(じゅうりんじ)
御本尊延命地蔵菩薩
拝観料大人・・・400円、大・高・中学生・・・400円、小学生200円
住  所京都府京都市西京区大原野小塩町481
アクセスJR向日町駅下車 阪急バス小塩停留所下車すぐ
備  考毎年11月23日に塩竃清め祭が行われる。


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