Salt Guide
塩と人間の体
人の体と塩とのかかわりは深く、生命を保つため、体の機能を保つためになくてはならないものです。
塩味
私たちは、食べ物の味を、センサーの役目をしている舌の味蕾(みらい)でキャッチして感じています。
人間が感じる味は、甘味、酸味、苦味、塩味、旨味の5つに分けられますが、それぞれの味は舌の違った位置で感じられ、塩味は舌の尖端付近と縁の部分で鋭敏に感じます。
塩味は、塩化ナトリウム固有の味です。
塩を形成するナトリウムイオンと塩化物イオンの両方が存在して感じられるものであり、どちらか片方だけでは塩味を出すことはできません。
人が食べられないものは毒性のあるものを別にすれば、「腐ったもの」「焦げ過ぎたもの」、そして「塩辛すぎるもの」といわれています。
私たちが好む塩の濃度は、汁物では0.7%から1%程度、煮物では0.8%から2%程度で許容範囲が狭く個人差も少ないのが特徴です。(砂糖は0.5%から80%までの範囲があります)体内の塩分量
人間の体重の約3分の2は水分が占めていることはよく知られていますが、体内にはどのくらいの塩分が含まれているのでしょうか。
体内の塩分量は大人と子供で異なり、大人で体重の0.3~0.4%、子供では約0.2%といわれていて、例えば、体重60kgの成人の場合は、体内の塩分量は約200g程度ということになります。
体の中では、主に血液や消化液などに含まれています。1リットルの血液中には約9gの塩がとけていて、輸血をする血液が不足している時に生理食塩水(リンゲル液)が代用できるのもこのためです。また、塩分は骨にも含まれており、血液中の塩分がなくなると溶け出して塩分を補ったりします。
体内でのはたらき
【細胞を保つ】
人の体は約60兆個の細胞が集まってできていて、それらひとつひとつは細胞外液という液の中に浮かんでいます。塩はその細胞外液のなかに含まれていて、細胞が縮みすぎたり、膨らみすぎて壊れないように調節する役割を果たしています【消化と吸収を助ける】
食べ物を消化する消化液も塩からつくられます。塩化物イオンは胃酸の主成分となり、消化を助けたりバイキンを殺す役割を果たし、ナトリウムイオンは小腸で栄養素の吸収を助けています。【刺激の伝達】
ものの温かさや冷たさなどの刺激を脳に伝えたり、脳からの命令を筋肉に伝えたりする神経細胞からの電気信号の伝達には、ナトリウムイオンが関係しています汗との関係
人間は汗をかくことで、体内の不要な老廃物を早く外に出したり、体温を調節したりしています。汗は「しょっぱい」と感じられますが、これは汗の中に0.2~0.5%の塩分が含まれているためで、この塩分は水分を体内に留める働きもしています。
塩の欠乏症
体内の塩分は、腎臓の働きによって一定に保たれています。通常の食事や運動をしている場合には体内の塩分が欠乏することはありませんが、下痢や激しい発汗などで体内の塩分が急激に失われることがあります。
体内の塩分が欠乏すると、様々な症状があらわれます。
| 脱水症状(口の渇き、頭痛、吐き気等) | 細胞内外の浸透圧のバランスが保てなくなるため |
|---|---|
| 血圧の低下・立ちくらみ | 細胞外液の減少による |
| 倦怠感・精神不安定・眠気 | 体液のpHが酸性に傾くため |
| 脱力感 | 筋肉の刺激に対する反応性が低下するため |