Salt Guide

食卓の名脇役、塩

日本人の朝食には陰に陽に塩が大活躍。食卓にはご飯のほか、味噌汁、塩鮭、漬物が並んでいます。何れの食品にも塩が使われており調味以外にも重要な役割を果たしています。味噌は栄養価の高い大豆発酵食品で、使用する麹の種類により米味噌、麦味噌などと呼ばれます。また、醤油も大豆と小麦を原料とする発酵食品で、味噌と同じく塩が麹菌の発酵を調整して特有の風味を醸し出すとともに、雑菌の繁殖を抑えて防腐性を高める重要な働きをしています。塩鮭や漬物などは塩の脱水作用(塩水の浸透圧)を利用した食品で、保存性を高め、漬物では独特の歯ごたえを与えています。なお、最近の減塩傾向に伴う保存性の低下を補うため、ソルビン酸、アルコールなどの保存料が添加され、成分の変質が懸念されています。

健康のもと 塩

朝食は一日の活力源。塩分も補給され今日も元気に働けます。体のなかで塩は(1)細胞維持(浸透圧の調整)、(2)消化・吸収(塩素イオン〔Cl〕は胃酸の主成分、ナトリウムイオン〔Na〕は小腸で栄養素の吸収を支援)(3)体液の弱アルカリ性維持(酸性物質の中和)④刺激の伝達(Naが関与)など重要な働きをしています。
塩分が欠乏すると脱水症状(血圧低下、めまい)のほか、食欲減退、倦怠感、精神不安定、皮膚の弾力低下などの症状に至ります。例えば中国の歴史書「三国志」の中にも、平時の兵士の活力を鎮めるため、食事中の塩分を減らしたとの記述があります。また子供が嘔吐、下痢などをした時は塩分の損失が考えられ、細胞の浸透圧(=塩分濃度)を維持する観点から水分だけでなく塩分もとることが重要です。(財)日本ユニセフ協会が飢餓で苦しむ国々に送っている経口補水塩(砂糖:塩=8:1、28gを1?に溶かして使用)が良い例で、下痢による脱水死から多くの子供の命を救っています。

厚生省は塩と高血圧の関係から昭和54年に1日の目標摂取量を10g以下と定めていますが、加工食品や外食が増えたことなどから、ここ数年は13g/日付近で推移しています。なお最近の研究でも塩と高血圧の関係は明確になっておらず、むしろ(1)遺伝的要因(2)肥満、アルコール摂取、ストレスなどの環境的要因(3)腎臓障害などの病気などが影響していると考えられています。
従って、健康な人であれば塩分を余り気にせず、美味しい食事から必要な栄養をバランス良くとり、質の高い生活(クオリティ オブ ライフ)おくることが大切かと思われます。